サッカーW杯とイスパニア語圏

西村君代

 いよいよブラジルW杯の開幕です!イスパニア語圏にはサッカーの盛んな国が大変多く、今回のW杯にも9カ国が出場します。8つのグループのうち、イスパニア語圏の国が入っていないのはグループGとHだけで、グループBではスペインとチリ、グループDではウルグアイとコスタリカ、グループEではエクアドルとホンジュラスがイスパニア語圏同士で戦うことになります。日本と同じグループCに入っていることでよく取り上げられるコロンビアもイスパニア語圏です。他に、メキシコ(グループA)とアルゼンチン(グループF)が出場します。

 前回W杯覇者のスペインは、開催国ブラジルと並んで優勝候補の本命とされています。地域主義が強いスペインですが、前回のW杯では代表の活躍に国中が一つになって熱狂していた印象があります。長引く経済危機にあえぎ、ここにきて国王も交代することになったスペイン。今回もW杯が明るい話題となってくれることが期待されます。サッカーファンだけでなく「同業者」であるサッカー選手からも尊敬を集める司令塔のシャビ(Xavi。スペインでは「チャビ」と発音されます)は今回を最後に代表引退を示唆しています。華麗な仕事人ぶりを見届けたいものです。

前回のW杯決勝時のスペインの友人たち。タオルが裏向けになっているのはご愛敬。

前回のW杯決勝時のスペインの友人たち。タオルマフラーが裏向けになっているのはご愛敬。

 グループリーグで日本のライバルとなるコロンビアはエースのファルカオ(Falcao)を怪我で欠いていますが、代表チームのコンディションはとてもいいようです。日本とコロンビアの両方が実力を発揮して悔いのないいい試合をしてくれることを祈ります。

 所属チームFCバルセロナでの活躍は誰もが認めるスーパースターでありながら、代表チームではこれまで今一つ輝ききれていないメッシ(Messi)擁するアルゼンチン、Jリーグ・セレッソ大阪への移籍で話題になったフォルラン(Forlán)とケガからの回復が間に合うことが切望されるスアレス(Suárez)擁するウルグアイにも注目です。

 W杯のようなイベントは、イスパニア語を学んでいてよかったと思える機会の一つです。日本以外のチームをまるで自国のように愛着を持って応援できるのは、イスパニア語でつながるその国の友人や人々が頭に浮かぶからですし、インタビューなどでいろいろな国のイスパニア語が耳にできるのも毎回とても楽しい経験です。

 最後に、テレビなどで耳にするかもしれないイスパニア語の単語をいくつか紹介します。

 サッカー   fútbol (フットボル)
 ボール   balón (バロン)
 W杯   Copa Mundial (コパ ムンディアル)
 ゴール   gol (ゴル)
 チャンピオン   campeón (カンペオン)