イサベル女王が愛した街に魅せられて

清水 まい(しみず まい)

こんにちは、イスパニア語学科3年の清水まいです。2021年9月からスペインのグラナダ大学で1年間の交換留学生としてスペインの観光を学んでいます。この街を留学先に選んだのは、スペインの歴史の重要地点であり、異文化が混ざり合うアンダルシア独特の雰囲気に惹かれたのはもちろん、スペインの観光地の一つに挙げられる街に身を置きながら観光学を専攻したいと思ったのが一番の理由です。

グラナダと聞くと、イスラム芸術の最高傑作のひとつともいわれるアルハンブラ宮殿を思い浮かべる方が多いと思います。世界史を学んだことがあれば「ナスル朝」「レコンキスタ」という言葉が浮かんできたでしょうか?もちろん宮殿や大聖堂だけでなく、グラナダ最古の街並みが残るアルバイシン地区、美しい教会や修道院など多くの観光スポットに溢れています。カトリック両王が眠る街としても知られ、グラナダの美しさに魅了されたといわれるイサベル女王の銅像が街の中心に建っています。

実際に暮らしてみると、街の規模が比較的コンパクトなので落ち着いていて、治安に関しては海外にいるのを忘れてしまいそうなほど良いです。街全体が大学都市なのであらゆるところに学びの入り口があり、大学のリソースも多いので勉学にはもってこいの環境です。街の人口の4分の1が同じ大学の学生なので、行く先々で交友も深まります。

生活においても、晴れが多い気候や良質な水など好条件が揃っています。綺麗な街並みの中心部は賑やかでバルにも恵まれ、新しくできたメトロでスタジアムまで向かうとラ・リーガ1部の試合も観戦できます。ちょっとしたハイキングコースにも歩いて行けるほか、ビーチにもスノーリゾートにもバスで数十分です。どうですか?少し印象が変わりましたか?

アルハンブラ・ナスル朝宮殿 ライオンの中庭

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダの街自慢はこの辺にしておいて、大学生活にも触れたいと思います。授業はマーケティングや経営学など観光分野に特化した経済系科目をベースに、文化遺産や食文化などの文化系科目や語学科目まで、魅力的なものばかりです。グラナダ大学は地元よりもスペインの様々な地域から集まっている学生が多く、また留学生も一定数いるので多様な友達に出会えます。

コロナの影響で外出自粛せざるを得ない状況ですが、寮の中での交流も言語能力の向上にとても役立っています。大学にも寮にも私以外の日本人がおらず珍しいのか、共有スペースにいるだけで色んな子が話しかけてくれます。年末年始は寮で仲良くなった友達の帰省についていき、実家にお邪魔してスペイン流の年越しを楽しみました。

留学中はもちろん良いことばかりだけでは無く苦しいとき悩むときも多々あります。でも乗り越えていくうちに、全て留学に来なければ経験できなかったもので、何倍にも成長できる種だと感じるようになりました。丘の上の家から地平線に沈む夕日と真っ赤に染まる街を眺めながら、「この街を選んでよかった」と噛みしめる毎日です。もう数か月しかない留学生活ですが、目一杯充実させて大満足で帰国できるよう全力を尽くします!!

キャンパスから徒歩15分ほど、アルバイシン地区で一番高い展望台「サン・ミゲル・アルト」 夕日の名所でグラナダの街を一望できる