ドイツのヴァイツゼッカー元大統領が、日本とドイツほど距離が離れているのに関係が近い国は世界的にもあまりないと発言したことがあります。日本にとってドイツは、ヨーロッパ最大の貿易相手国であるだけではなく、近代化の過程で医学や科学、社会制度、法律、デザイン、音楽、思想などに大きな影響を与えた国です。近年では、ドイツは日本と共に、少子高齢化や社会保障などの課題に世界に先駆けて直面する「課題先進国」でもあり、街づくりや移民の受け入れ、環境・エネルギー問題、福祉や労働政策など、日本では、さまざまな分野でドイツ語圏の事例が研究されています。その大半は英語や日本語の翻訳された情報を参照していますが、英語や日本語は間接情報に過ぎないので、やはり最新かつ最深の情報にアプローチするにはドイツ語が必須です。ドイツ語学科では、ドイツ語をも使って調べ、考え、発表することをとおしてドイツ語圏について理解を深めていきます。ドイツ語自体について、またドイツ語教育について学問的に探究することもドイツ語学科の専門的な学びの重要な柱です。