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満開の桜にエールをのせて

 

 

「コロナ禍の~」と言われ続けて3年目。コートの襟を立て、下を向きがちだった冬を超えて、今年も変わらず四谷の桜が花を咲かせました。3月28日、満開の日に卒業生を送り出すことができました。今年の桜は、ひときわたおやかに、のびのびと枝先まで花をほころばせ、まるでこの2年間の私たちの不安や苛立ちがなかったかのように、さわやかな風を吹き込んでくれました。卒業生の晴れやかな笑顔も、自信にあふれていました。

試行錯誤が続いたこの2年、外国語学部での学びも、様々なチャレンジを続けてきました。学生たちとのコミュニケーションも、教室内外での発信の仕方もずいぶん変わってきました。双方向型、アクティブ・ラーニング・・・そして国際協働オンライン授業(COIL)などなど、ヴァーチャルとリアルの世界を行き来しながら、学生の皆さんとともに、本当に自分がやりたいことは何か、どうやったら生身の人間として社会に貢献できるか、どんな出会いや交流をしたいか、授業で扱うテーマ以外にも、生活空間と学びの空間とを重ねて一緒に議論を重ねました。今振り返ると、そうした「~ができない」中で「今できることを考える」、そして「将来どのような自分になっていたいかを考える」時間の中で得たものも大きかったように思います。

私自身、「生涯フィールドワーカー」をめざしてきたのに、どこへも出かけられない閉塞感に苛まれた日々もありました。ですから、言語能力を磨いて、3年になったらめざす外の世界に飛び立ちたいとわくわくさせてこの学部に入ったのに、その計画が思うような形で実現できなかった・・・という若い皆さんの失望はいかばかりかと思います。それでも、そうした経験をしてなお、卒業生の晴れ姿は輝いていました。毎年卒業生を送るたびに、こちらが勇気と力をもらっています。

あと2日で新入生たちを迎えます。長い人生における4年または5年は実は短いものです。今年はどのような想定外のできごとが私たちを待ち受けているでしょうか。どんなことが起こっても、きっと皆さんと一緒に乗り越えることができるだろう、満開の桜は、新しい年度の始まりに、そんなエールを運んでくれました。 (2022年3月30日記)

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