11月、3つめの「50周年」
11月29日(土)、外国語学部ポルトガル語学科の創立50周年記念シンポジウムが開催されました。
当日は、たくさんの在学生と卒業生が集まり、学科教員や卒業生代表の皆さんの発表に耳を傾けました。「ポルトガル語」という言語と出会い、またそれを通してポルトガル語を話している人々と、そうした人々が形成している社会や文化を知ることで、大きく人生が変わってきた――もちろん、いい意味で、です――、そしてその経験を伝えることで、ポルトガル語学科で今学んでいる学生の皆さんがこれからさらに豊かな経験を積んでいく糧にしてもらいたい、というのが、すべての発表に共通する内容であったかと思います。
沖縄出身のご両親の元に生まれ、琉球語、日本語、ポルトガル語が混じり合った環境で育ったことで言語への関心を深め、言語学を学んだ上で、沖縄に在住している日系ブラジル人の言語状況を研究するに至ったギボ先生。
アフリカにあるポルトガル語圏の国々――アンゴラやモザンビークなど――と、アフリカ系ブラジル人の歴史という、2つの大陸にまたがるダイナミックな研究をしている矢澤先生。
卒業後も「ブラジル研究」を諦めきれずに会社勤めを辞めて大学院に進み、ブラジル北東部――同国で最も貧しい地域といわれています――の子どもたちがよりよく生きていくために、どのような教育ができるのかというテーマに真摯に取り組んでいる田村先生。
「まじめ」な研究の対象にあまりなっていなかった映画や音楽、テレビドラマといった「ポップカルチャー」に長年取り組み、ブラジルはもちろん、世界中を飛び回って人類にとっての「今」を読み解こうとしているネーヴェス先生。
上智で学んだポルトガル語を活かしつつお仕事をされている卒業生お二人も登壇してくださいました。
残念ながら、当日は会場の制約により、ポルトガル語学科生と卒業生以外の方にはお聴きいただけなかったのですが、せっかくのいいお話でしたので、何らかの形で多くの人に読んでいただけるよう準備してもらえませんか、とポルトガル語学科の先生にお願いしているところです。もしそれが実現したら、改めてここでお知らせしたいと思います。