冬来たりなば
四ッ谷駅から上智大学の正門に向かって「ソフィア通り」を歩いて行くと、左手には聖イグナチオ教会、そして右手には江戸城のお堀(「真田堀」といって本学グランドになっています)の土手を見て進むことになります。土手には立派な桜の木が何十本と植わっていて、卒業式・入学式の時期には満開の花が目を楽しませ、夏の暑い時期には涼しい木陰を作って私たちを迎えてくれます。
この桜並木は、実は50年ほど前、卒業を間近に控えた上智大学空手部の学生が、卒業の記念に何か残るものをと企画して、苗木の調達から役所との折衝、そして植樹まで行なったものが、現在にまで残っているものなのです。あまり知られていませんが、上智大学の隠れた誇りのひとつです。
この写真は、今日撮影したこの土手の桜のつぼみです。まだまだ寒いですが、桜の木はもう春の準備を着々と進めて、このようにつぼみを膨らませています。
4年生の皆さんは、最後の定期試験を目の前にして、心穏やかでない日々を過ごしているかも知れませんし、受験生の皆さんは、一般入試まであと半月ほどになり、不安な毎日かも知れません。でも、「冬来たりなば春遠からじ」。花が咲くまでにはもう少しかかるかも知れませんが、皆さんの頭の中、心の中には、もうつぼみが膨らみ始めているのではありませんか? 自分の中の「つぼみ」を信じて、皆さん一人一人がご自身にとって最善の進路を拓いていくことを心の底から祈っています。