メキシコ出張
上智大学が交換留学協定を結んでいるメキシコの大学の担当者との話し合いのために、日曜日からメキシコに来ています。
もう少し正確にいうと、上智大学が南山大学、上智大学短期大学部との3校で共同して進めている大学の世界展開力強化事業「人の移動と共生における調和と人間の尊厳を追求する課題解決型の教育交流プログラム」のパートナー大学に対し、このプログラムの趣旨を説明し、メキシコを含むラテンアメリカ諸国から、できるだけたくさんの留学生に来てもらえるようにするというのがこの出張の目的です。このプログラム、あまりにも長い名前なので、以下「ラテンアメリカ・プログラム」を略して「LAP」と呼ぶことにしましょう。
日本の大学生の留学先もずいぶんと多様化してきましたが、ラテンアメリカは地理的にも遠く、日本に来る留学生も、日本から出かける留学生も、その数はまだまだ多くありません。しかし、日本との関係は長く、深いものがあります。近年、急速に強まりつつある貿易や投資といった経済的な側面が注目を浴びることが多いですが、100年以上前から多くの日本人がブラジルやペルーをはじめとしたラテンアメリカ諸国に数多く移民してきましたし、1990年代以降は、逆に日系人を中心とするラテンアメリカの人々が、さまざまな形で日本に居住し、コミュニティーを形成しています。私たちの実感以上に、ラテンアメリカは日本にとって身近な存在であるわけです。
上智大学の学生とラテンアメリカからの留学生が、日本に住むラテンアメリカに出自を持つ人々やラテンアメリカに住む日系人の皆さんと関わりを持ちながら相互理解を深めていく基礎としたい、そんな思いを込めてLAPをスタートさせました。
出張中は、大学で仕事をしているときよりも、実を言えば時間に余裕があります。その時間を利用して、このプログラムのご紹介を少しずつしていければと思っています。21日にメキシコ中西部のグアナフアトから始まったこの出張、23日からは首都メキシコ市で協定校訪問を行っています。「大学でこんなことも学ぶことができるんだ」と思ってもらえれば嬉しく思います。
写真は、植民地時代にスペイン人が建てた修道院の建物です。現在はLAPパートナー大学の1つ、グアナフアト大学の哲学科、スペイン文学科、史学科などの校舎になっています。