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研究コース紹介

卒業論文・卒業研究

北川 真紀さん(ヨーロッパ研究コース)

 私にとって卒論制作とは、自分独自の「視点」をみつけるための大切なプロセスでした。昨年春に卒論のための研究を開始して、まず行ったのは資料集め。自分が関心のあったヨーロッパの視覚文化や帝国主義というテーマに関する文献を読み漁り、調査の過程を進めていきました。エドワード・サイードの『オリエンタリズム』といった古典的な著作以外にも数多くの批評があり、自分が次第に先行文献の波に飲み込まれていくのを感じました。「自分の意見なんて持てるんだろうか」と思い悩みつつも、次のような漠然とした疑問だけは持ち続けました。「なぜポール・ゴーギャンが描いた東洋人女性の絵に魅かれるのだろう。」私を突き動かすこの疑問が、イギリス留学体験で発見した「東洋人=非西洋人」としての自分と分かち難く結びついていることに気づいたとき、そこにオリジナルの視点をみいだすことができました。自分が知りたいのは、ジャポニズム(19世紀後半にヨーロッパを席巻した日本趣味)の視覚芸術に<東洋>と<女性>がどのような「まなざし」で描かれているか、ということだと分かったのです。クロード・モネの『ラ・ジャポネーズ』(1875)やジェームズ・ホイッスラーの『陶器の国の姫君』(1863-65)、イギリス喜歌劇『ミカド』(1885)といった作品の分析を経て、複数の視座をもつことの大切さを学ぶとともに、自分の視点も獲得しなければならないということも実感できました。

(外国語学部英語学科)

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