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卒業論文・卒業研究
瀬尾 麻姫子 さん(北米研究コース)
私の卒論の内容はアメリカ人女性の不妊とその治療の経験を従来のような医学的観点からではなく社会学的観点から研究するというものでした。不妊がなぜアメリカの男女にとってスティグマになるのか、という怒りにも似た疑問を持ったのが卒論執筆へのスタートでした。現代の北米社会では生殖技術が進み、生殖はコントロール可能なものという考え方が染みついているため、望んだように妊娠ができないと分かった女性は自分の身体、そして自分自身について「落ちこぼれている」と感じてしまう傾向があります。一方で、妊娠・出産が女性にとって成人するための義務であるとする伝統的な考えが根強く残るため、子どもを持たない女性たちは「社会的な理想」から外されてしまうのです。執筆にあたって、不妊女性の研究の第一人者であるA.Greilという学者の本をはじめとし、「自分が卒論で言いたいことを代弁している学者たちの論文」を読むことから始めました。自分がこれまでフラストレーションに感じていたことをずばりと言い当ててくれる学者たちの言葉に出会い「そうそう、これが書きたかったんだ」とわくわくしていました。どんなテーマに関してでも、なぜ?どうして?という疑問を持ったら卒論執筆への第一歩だと思います。
(外国語学部英語学科)