日時 | 2011年12月16日(金) 15:00-16:30 |
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タイトル | 結果構文・中間構文のシンタクスと意味 ―英語とドイツ語・オランダ語の 対照研究から― |
講演要旨 | 本発表では,英語とドイツ語・オランダ語の対照という観点から,結果構文およ び中間構文に対する独自の分析を提示する。英語には,結果句が目的語と主述関 係を結ぶ典型的な結果構文と別に,A bantam chick kicks free from its shell. / Willy pried free/loose of the ropes. のように結果句が主語と主述関係を 結ぶ結果構文があり,前者と後者を統一的に説明する上で,これまで後者に対し ては非対格性に基づく分析 (Levin & Rappaport Hovan 1995) や事象構造 ( event structure) に基づく分析 (Rappaport Hovav & Levin 2001) が提案され ている。これに対して,本発表ではドイツ語とオランダ語のデータから「身体に 対する行為」という意味概念に基づく分析を提案する。また,This book reads easily. に代表される中間構文については,その動詞句が出来事項を含まない個 体述語 (individual predicate) であるという分析 (Kageyama 2006) があるが, やはりドイツ語のデータから中間構文では(動作主を欠く)出来事が総称化され ていると提案する。あわせて,ドイツ語における中間構文の統語構造をもとに, 英語の中間構文の統語構造についても議論する。具体的な分析にあたっては,各 々の構文に関する英語とドイツ語・オランダ語の差が再帰代名詞の性質に関する 言語間の違いと密接に関わっていることを指摘する。さらには,そうした言語間 の違いに着目することによって,主に英語研究に基づく既存の一般化に対してど のような提言が可能となるかを示す。 |
使用言語 | 日本語 |
場所、定員 | 上智大学 四谷キャンパス 中央図書館8階 L-821 |