講演会

多田浩章(福岡大学)

日時2018年1月30日火曜日 15:30-17:00
タイトル

作用域の反再構築とG-自明性

要旨

本発表では、まず、自然言語における数量詞の保守性を移動の転写理論から統語的に導き出す論法(Fox(2002))を焦点辞に拡張すると、[焦点域+焦点辞]にQRを適用する派生はG-自明な(Chierchia(2013))意味表示が帰結することになり、焦点辞のみの移動操作(青柳(2006))が支持されることを示す。さらに、この出発点から、否定の作用域を超えてA-移動している[焦点域+焦点辞]は作用域再構築の適用を受けないという一般化(Shibata(2015))と、代替集合内の命題がすべて前景命題によって含意されるような焦点辞の場合はこの一般化が破られること(中西(2010))を、自然な仮定を付け加えながら順に導いていき、その諸帰結を考察する。

会場

上智大学四谷キャンパス中央図書館 8階L-821