2025年06月03日 16:55:35
上智大学アジア文化研究所は、鈴鹿光次・元駐アフガニスタン大使をお招きし、以下の講演会を開催いたします。 講演内容 アフガニスタンの重要性はアルカーイダによる米国同時多発テロの策源地となったという負の実績にある。本講演では2016年から2020年までのアフガニスタン在勤の経験を踏まえ、アフガニスタン・イスラム共和国の崩壊とタリバーンによる政権奪回の意味を考える。はじめにアフガニスタンの地勢、民族構成、略史を概観し、米国の軍事攻撃によるタリバーン政権打倒の経緯を述べる。その後、主要西側諸国による軍事、経済、政治面での強力な支援を受けた共和国政府の国造りの努力に言及する。ついで、国内対立と腐敗の蔓延、タリバーンなどのテロによる情勢悪化を背景に、第一次トランプ政権がタリバーンを相手に米軍撤退を視野に直接交渉を開始し、2021年8月、米軍他の撤退と同時にタリバーンが政権を奪回した経緯を述べる。最後にタリバーンの勝因と共和国政府の敗因、タリバーン暫定政権の現状につき分析の後、一定の結論を試みる。