ヨーロッパ研究所は、2007年4月1日をもってドイツ語圏文化研究所を改組再編して活動を開始しました。 2009年7月1日には、イスパニア研究所との統合を実現し、研究領域をヨーロッパ全域の社会と文化に拡大しました。 現在は、「政治・経済・社会」「芸術・文化」「言語」「歴史」の4つの視点からヨーロッパをとらえつつ、国内外の類似の研究機関との差別化を図り、また共同研究の推進を目指しています。
上智大学ヨーロッパ研究所 所長
上智大学外国語学部 ポルトガル語学科教授
市之瀨 敦
(リスボンで撮影)
私が主な研究対象としているのはポルトガルです。言うまでもないと思いますが、ヨーロッパの最西端に位置する比較的小さな国です。
現在は欧州連合(EU)の加盟国であり、ヨーロッパの国家の一つです。しかし、ナポレオンの時代には「ピレネーの向こうはヨーロッパではない」と言われたこともあり、また大航海時代以降はむしろ大西洋国家と呼んだ方がふさわしい時代が長く続きました。日本人の多くにとっても、ヨーロッパという言葉を聞いてすぐに連想するような国ではなさそうです。
今からおよそ四半世紀前、私がリスボンの大学に留学していた時代、ポルトガルの人々がフランスやドイツなどに行くときに「ヨーロッパに行く」と表現していたことも象徴的でした。ヨーロッパとは何か?それはどこからどこまでを指すのか?ヨーロッパ内部でも多様な見解がありうることがわかるのではないでしょうか?
上智大学ヨーロッパ研究所は、さまざまな分野で日本に大きな影響を与え続けてきたヨーロッパを、高度な語学能力を駆使しながら、文学、言語、芸術、社会、歴史、思想、宗教、政治、経済などの幅広い視点から研究し、その成果を日本を起点として、日本はもちろんのこと、ヨーロッパにそして世界に発信することを目的の1つとしています。
1年を通し頻繁に開かれる講演会やシンポジウム、毎年刊行される紀要や叢書、研究のための図書資料の収集と一般利用の提供など、その活動は多岐にわたります。上智大学の叡智(=ソフィア)を担うべく、40名を超える所員は日々研究を進めております。
ぜひとも、このホームページを探索いただき、本研究所の活動にご注目ください。
ヨーロッパ研究所発足(2007年)以前の活動について