第二部:パネル・ディスカッション 15:10-17:00
信田さよ子(原宿カウンセリングセンター所長)
「臨床現場から見た性被害」
“Sexual Violence and Victimization: Perspectives from the Counseling Field“
開業心理相談機関を運営する立場から、親密圏である家族における性虐待被害の実態およびその影響の深刻さについて述べたい。またトラウマとジェンダーの視点から、性暴力の被害者のケア・加害者へのアプローチについても実践経験にもとづいてお話ししたい。
中村正(立命館大学人間科学研究科教授)
「日本における性暴力:男性学と加害者臨床の現場からの考察」
Sexual Violence in Japan: Insights from Men’s Studies and Perpetrator Counseling
男性問題について臨床心理社会学の見地から、実践をおこないつつ研究をしている。脱暴力のための治療的司法等の制度や事例も紹介する。マジョリティ男性の立場性の課題とかかわり、刑務所での性犯罪者処遇、DV 加害者や虐待する父親との面談、ハラスメントや体罰教師等との更生の対話やグループワークの経験をもとに報告する。
平山亮(東京都健康長寿医療センター研究所研究員)
「『ケアする男たちは暴力から最も縁遠い』のか?」
Men as Caregivers: Are They Liberated from Masculine Ideology That Drives Men to Violence?
男性性とケアはしばしば対極の概念のように理解され、それゆえケアに積極的に携わる男性は「新しく」、男性性の軛から解放された存在のように見なされることもある。高齢者を介護する男性に焦点を当てる本報告では、男性性とケアを対置させるそのようなジェンダー観が覆い隠してしまう性支配の構造に光を当てたい。
三浦まり(上智大学法学部教授)with “Speak Up, Sophia”
日本の大学における取組みについて
Initiatives on Sexual Violence Prevention on College Campuses in Japan |