調査・研究

ヨルダン出張報告(2017年8月23日~2017年9月3日)

2017年度報告

期間:2017年8月23日~9月3日
国名:ヨルダン(アンマン、イルビド他)
出張者:臼杵悠(一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程)

 ヨルダンの首都アンマン県と国内北西部に位置するイルビド県を中心に訪ね、住民の社会生活状況について統計資料収集および聞き取り調査を行った。
 イルビド県で訪ねたのは、イスラエル国境に近い場所に位置する人口約1万2千人のカフル・マー村である。イルビドに関係の深い住民でなければヨルダン人すらほぼ知らない地名であるが、1960年代に人類学者リチャード・アントーン氏がアラブ農村の代表として取り上げフィールド調査を行った、歴史のある重要な場所である。カフル・マーでは2013年に一橋大学とヨルダン統計局の共同による世帯調査を行っているが、その追加調査として住民に聞き取りを行った。今年8月に地方選挙が行われており、ヨルダン滞在時も各都市の至るところに選挙候補者のポスターが残っていたが、その際の話をカフル・マーで聞くことができた。公務員である住民の1人が、選挙係員として働いたときの指針となる説明動画を見せてくれた。その内容の中には有権者の女性の顔確認に関する注意事項などがあり、非常に興味深いものであった。
 アンマン県北部に所在するヨルダン統計局では、統計局局員数名と会合を行った。その際、これまでの世帯調査や人口センサスのデータの照会および新たな世帯調査の実施に関して協議を行った。また、統計局の図書室を訪ね、統計局が所有する統計資料の確認を行った。特に、1950年から2016年までの統計年鑑、ならびに2015年に行われた最新の人口センサスの結果をまとめた冊子の閲覧を行った。
 以上の情報を基に、今後もカフル・マー村と他の町/村との比較を通し、調査を続け、成果を公表する予定である。

 

山岳部に位置するカフル・マー村の景色( 写真1)
町中でしばしば見かけた候補者の選挙ポスター(写真2)



 
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