上智大学 大学院 グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻

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専攻主任メッセージ

専攻主任メッセージ

地域研究を志す者たちには、地域への愛着や共感、地域を知りたいという欲求などが存在しなければなりません。また、地域研究は「感性の学問」ともいわれるように、現地体験が重視されます。2011年3月に地震と大津波で壊滅的被害を被った東北地方には、多くのボランティアの方々が復興への思いを共感しつつ支援に参加してきました。地域研究の原点がそこにあるのです。2012年には、中東・北アフリカで若者や市民の運動による民衆革命が進行しました。その多くは思い通りにはなりませんでしたが、「小さな民」の視点も地域研究の特徴です。その視点に立てば、彼らの運動に関心を寄せることも自然でしょう。グローバル化が進んでいる今こそ、地域社会(小文化)は重要であり、地域に生きてきた人々の生活・知恵(問題解決の潜在力)から学ぶことが何より求められています。地域研究専攻では、このような社会的要請に応え、グローバルな問題意識に基づいて、特定の時代、地域を対象とし、個別の問題を深く追求し、それを通じて人類社会が抱える問題について考える人材を養成しています。

1997年に外国語学研究科の中に新設された本専攻は、今年で17年目を迎えました。2005-06年度は、本専攻の<現代社会に貢献する地域研究>が文部科学省の「魅力ある大学院教育」イニシアチブとして、2008年度には<現地拠点活用による協働型地域研究者養成>が「組織的な大学院教育改革推進プログラム」としてそれぞれ採択されました。また、2005-08年度は、文部科学省が推進する大学院教育の国際化推進プログラムに本学の<文化遺産教育戦略に関する国際連携の推進>が採択され、その一環としてカンボジア・シエムレアプ市にある上智大学アジア人材養成研究センターにおいて、本専攻による授業(英語)が実施されました。さらに2006-2010年度は、わが国の<イスラーム研究の拠点構築>のためのプログラム「イスラーム地域研究」(人間文化研究機構)が開始され、本学は5拠点のうちの一つに指定されました。2011年度から第二期(2011-2015年度)も開始されました。本専攻の教員や学生の多くがこれに関わっています。

2013年度からはサハラ以南のアフリカ、ヨーロッパ(特にスペイン、フランス)を専攻するスタッフが加わり、本専攻が対象とする地域は増えました。地域研究専攻には、東南アジア、中東・アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパの人々と誠実に向き合い、熱心に研究する学生が集まっています。私たち教員や事務室スタッフは、そんな皆さんをできるだけサポートしていきます。

2014年4月1日   専攻主任 小牧昌平

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