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研究コース紹介

北米研究コース紹介

北米研究へのいざない

北米研究は、アメリカ合衆国(以下アメリカ)とカナダが対象です。アメリカの文化や生活習慣はそこら中に溢れ、身近になったため、皮肉な事にかえって関心が薄れています。さらに、メディアが誇張する否定的なイメージによって、嫌米・反米意識も広がっています。そのため、どの大学でもアメリカ研究を専攻しようとする学生数にかげりがみられる、と言われています。他方、カナダはその存在感の薄さが問題視されています。こうした一種の危機的状況の中で、北米研究では何が明らかになるのでしょうか。

外国語とくに英語を学んできた日本人の多くは、日常会話レベルの習得で満足しがちです。しかし、一歩踏み込んで英語が使われている地域を理解することが求められているはずです。ここでいう地域研究は、歴史学、文学、宗教学、心理学、政治学、経済学、社会学、文化人類学など方法論が確立された既存の学問が寄り集まって形成される「総合知」を意味しています。その分、広い基盤と深い関心を同時に満たさねばなりません。北米研究では、一つの学問分野では満足せず、「総合的な知性構築」に挑戦します。

北米研究コースの教育・研究上の理念

(1)北米地域を多角的かつ学際的な視点(政治学、経済学、社会学、文学、歴史学、宗教学、心理学、メディア学、表象文化を含む)から考察し、専門的知識を修得する。

(2)中南米、アジア・太平洋地域などとの比較検討を通して、北米地域の特異性とそれらの地域との共通性・関連性を見出し、北米地域に対する理解を深化させるとともに批判的に考察する能力を伸ばす。

(3)北米研究と「自分」との繋がりを学問的に理解することによって、世界および地域社会における自らの役割について考察できる能力を養う。

北米研究コースのカリキュラム

本学で1987年に設立されたアメリカ・カナダ研究所は、歴史・政治経済・社会文化などを研究し、教育現場に還元することを目的としています。これまで外国語学部と文学部を中心に、さらには法学部や経済学部でもアメリカに関する授業が提供されてきました。カナダについては不十分な状況ですが、まずは北米研究入門からはじめて、アメリカとの比較を通して、カナダ理解の深まりが期待されます。とくに移民や環境など国境を越える研究が盛んですから、北米を地域としてみる眼差しがより大切になるでしょう。

また、本研究コースの科目は、北米地域の国々を主な対象とする科目の他に、北米地域と関係が深い国や地域(メキシコ、アジア・太平洋地域)に関する科目も開講されています。それらの地域を結ぶ政治、経済、人口移動などを研究することにより、北米地域をより広い視点から考察することが可能となります。

【導入科目】

本研究コースでは、まず北米研究の基礎を学ぶために、以下に紹介する導入科目から最低2科目を履修します。北米研究にアプローチする多様な方法論、視点、事例が紹介される輪講科目や、日本において「北米」を「研究」してきた複数の例を紹介し、それらをクラスで議論をすることで、北米研究していく意義について検討する科目、また、英語で北米地域について学ぶ科目があります。

 

<科目例>

「北米地域研究A」「北米地域研究B」

【コア科目】

2年次から履修可能な「コア科目」では、「導入科目」で学んだ基礎知識をもとに、さらに高度で専門的な知識を積み上げていきます。ここでは、「国際政治・経済系」、「歴史・地理・思想系」、「多文化社会系」、「文学・メディア・表象系」の4つの系列が用意され、扱う地域はアメリカ合衆国、カナダはもちろんのこと、北米地域と密接なつながりがあるメキシコや太平洋地域についても学ぶことができます。特定の系列に絞って履修することも、複数の系列にまたがって履修することもできるので、自由な発想のもと、自分自身の「北米研究」を探求することができます。

 

<科目例> (科目名が英語のものは、講義が英語で行われます)

「American Women’s History」「Topics in American History」

「Psychology of Discrimination」
「History of Japanese Immigration」

「American Theater and Film」
「アメリカ政治外交」

【演習科目】

3、4年次で履修する「演習科目」では、教員から知識を得るという受動的な学習ではなく、それぞれの学生がこれまで学んできた科目から見出した興味関心・問題意識をもとに卒業論文を書いていきます。本研究コースで開講される演習のほとんどは、卒論の執筆は原則英語となります。日本語、英語、第二外国語を駆使し、文献の収集と解読、実地調査などを行い、その結果に分析・考察を加えて、卒業論文にまとめていきます。これまで培ってきた言語運用能力と専門知識を駆使して、卒業論文として結実させる、まさに大学生活の集大成の場です。

<科目例>

「演習(North American History)」「演習(North American Studies)」

「演習(Globalization and Migration)」

履修モデル

以下のモデルに従う必要はありませんが、参考にして自身の履修計画を立てましょう

①北米社会や文化の成り立ちを歴史的な視点から学びたい

導入科目
(6単位)
北米地域研究入門B-1・B-2
コア科目
(20単位)
Introduction to History of USA 1・2, American Women’s History 1・2, アメリカ社会史*, Topics in American History, Issues in American Society, 北米風土論*
*週2回開講4単位科目
演習
(4単位)
Seminar (North American History)1・2, もしくはSeminar (North American Studies)1・2

②北米と中南米の政治・経済関係について学びたい

導入科目
(6単位)
北米地域研究入門A-1・A-2, ラテンアメリカ地域研究入門
コア科目
(20単位)
アメリカ政治外交1・2, ラ米経済概論, ラ米経済特論, 国際政治史1・2, 経済入門1・2, North America in the World
演習
(4単位)
Seminar (North American Studies)1・2, もしくは演習(ラ米経済)1・2など

③移民・マイノリティなどの視点から北米地域の多文化社会について学びたい

導入科目
(6単位)
北米地域研究入門A-1・A-2, グローバル・ヒストリー入門
コア科目
(20単位)
American Women’s History 1・2, History of Japanese Immigration 1・2, Psychology of Discrimination, 難民とアメリカ*
*週2回開講4単位科目
演習
(4単位)
Seminar (Globalization and Migration)1・2, もしくはSeminar(Qualitative Methods in Psychology)1・2

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