中央ヨーロッパとの架け橋

佐藤夏純

Guten Tag!! Dzień dobry!!

今年の9月からドイツのフランクフルト(オーダー)にあるヴィアドリナ欧州大学に半年間留学している、ドイツ語学科2年の佐藤夏純です。

フランクフルトと聞いて、あぁ、あのフランクフルトね!となったあなた。多分違います笑 あのフランクフルトではなくて、誰も知らないドイツの最果てに位置している街、フランクフルト・オーダーです!

地図で見てみると、ドイツとポーランドのちょうど国境にあります。そうなんです。わたしの留学している大学の目の前には、ポーランドがあるんです。わたしの寮からも、国境を流れるオーダー川と、向こう岸にあるポーランドの街が一望できます。

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寮の目の前にはある橋。オーダー川を渡って向こう側はポーランドのSłubiceという街。


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毎朝ポーランド側の校舎で授業がある。この時期朝は橋がすっぽり霧に包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけでこの大学は他のドイツの大学とかなり違ったものになっているとわたしは感じています。極東にありポーランドとも接しているので、この大学だけでなくこのオーダーという街自体が、国や人種が混ざり合った歴史や文化を持っているのです。

大学の中では、教授がポーランド出身、ロシア出身、などということは当たり前ですし、そういった人がドイツ語を母語のように扱って生徒と授業をしています。また大学の生徒数は6000人ほどですがそのうちの25%は外国からきた留学生なのです。ドイツ国籍の友達も、親がモンゴル人だったり、ロシア人だったりハンガリー人だったり…ということが本当に多いので、完全なドイツ人というのが圧倒的に少ないです。

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事前語学コースのクラスメイト。日常会話はもちろんドイツ語。今でも同じ授業を取っている子、毎日一緒にお昼を食べる子など大好きな仲間。

わたしはこんなに中央ヨーロッパからの影響を受けているドイツの街に出会ったことがなかったので、来たばかりのころは衝撃でしたが、わたし自身も中国と日本のハーフなので、お互いのルーツを話して国同士の違いや共通点、歴史や文化を教えあう機会が圧倒的に多いこの環境で生活できていることを本当に楽しんでいますし、誇りに思います。

1番衝撃を受けたのが、この中央ヨーロッパの中での言語についてです。ある日ポーランドのレストランに、チェコ人の友達と行った時に、その友達が店員さんにとてもスムーズに注文していたんです。「ポーランド語いつ勉強したの?!すごい!」と私が褒めると、その子は、「ポーランド語なんて話せないけど、とりあえずチェコ語をそのまま話してるだけよ笑」と言ったのです。わたしは、え?!チェコ語話してポーランド人に通じるわけないじゃん!!と思ったのですが、中央ヨーロッパはスラブ語派。ロシア語やポーランド語、チェコ語、ウクライナ語など、スラブ語圏の国同士は似たような言語形態から成り立っているのです。上智の授業で学んではいましたが、実際に目の当たりにして、日本の方言と同じ感覚なのかもしれない…と初めて感じることが出来ました。

スラブ語派の言語をどれか1つ学ぶと、他のスラブ語圏の言語も学びやすいと言われ、絶対にやってやる!と思い、ポーランド語の授業を取って日々勉強しています笑

ドイツ人とだけ関わっていたら絶対に経験できなかったことばかりで、中央ヨーロッパについてもっともっと知りたい、言語も身につけて、誰も知らないようなことを学びたい、という思いが強くなりました。本当にこのヴィアドリナ欧州大学、そしてオーダーに来てよかったと心から感じている毎日です。まだまだドイツ語も伸び悩み、英語は忘れ、ポーランド語に手を出し混乱し、中国人の友達とは中国語で会話し、2人しかいない日本人に会うと怒涛の勢いで日本語を話し出し…といういろいろやりすぎて結局なにも成し得られない…ということのないように!!!!残りの4ヶ月ほど、有意義に過ごしていきたいと思います。

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寮は毎日パーティー状態。これはハロウィンのとき。