本科研主催報告会
『帝国のはざまからのうなり声―「私」のファミリー・
報告者:マニュエル・ヤン(歴史家・思想家)
報告要旨:
戦後の東アジア・東南アジアは、それ以前のさまざまな帝国支配が崩壊する一方で、冷戦体制によってアメリカの影響力が深まるというダイナミクスのなかにあった。ヤン氏のファミリー・ヒストリーは重要でありながらもこれまでの「正史」からこぼれおちてきた、帝国崩壊と冷戦による国際秩序の再編によるグローバルな人の移動の歴史をまさに象徴する事例である。本報告では、ヤン氏のファミリー・ヒストリーにはじまり、彼がこれまでに取り組んできた、アメリカの社会運動史を一国史的枠組みを越えた「トランスパシフィック」という枠組みから再構築する試みについてお話しいただく。
報告者プロフィール:
1974年、ブラジルのカンピナスで日系と台湾系の両親の間に生まれ、1981年まで日本の学校に通う。テキサス大学卒業後、トレド大学の環大西洋民衆史家ピーター・ラインボーのもとで歴史学を学ぶ。吉本隆明によるカール・マルクス論に関する博士論文を提出し、博士号を取得。現在、カリフォルニア州ウェストコビナ市在住。日本語による主要著作は、主要著作:「野良猫とノガン-吉本隆明とE.P.トムスンを巡る比較史的断章」『現代思想 総特集=吉本隆明の思想』(2012年7月臨時増刊号)、「疎外と偶像破壊の煉獄的実験室-吉本隆明『カール・マルクス』と下からの世界思想史」『情況』(2012年11/12月合併号)、「歴史の亀裂を遊歩する山猫たち 通天閣と革命的詩学、資本主義の段階、民衆の形成」『現代思想 特集=大阪』(2012年5月号、酒井隆史氏との共著)など多数。
日時:2014年10月11日(土)15:00-17:00
会場:上智大学 四谷キャンパス2号館9階915室
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*上智大学キャンパスマップ
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主催:本科研