日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)シンポジウム「オーラルヒストリーのアーカイブ化 を目指して」が3月17日に上智大学で開催されます。

2018.02.10

JOHAシンポジウム
オーラルヒストリーのアーカイブ化を目指して

■日時:2018年3月17日(土)13時30分~17時30分
■会場:上智大学2号館3階309室

■プログラム              
モデレータ・司会 蘭 信三       
趣旨説明(13:30~13:40)  蘭 信三(上智大学)

〇第一報告(13:40~14:05)       
オーラルヒストリーを受け継ぐために-飯田市歴史研究所での経験から-
               安岡健一(大阪大学)
〇第二報告(14:05~14:30)
地域女性史とオーラルヒストリー-その展開と保存の可能性をめぐって-
               宮﨑黎子(地域女性史研究会)
〇第三報告(14:30~14:55)
オーラルヒストリーとアーカイヴ化の可能性
           ―2012年質的データアーカイヴ化研究会調査より-
               小林多寿子(一橋大学)
〇第四報告(14:55~15:20) 
北米におけるオーラルヒストリーのデジタルアーカイビング
                 ―UCLA JARP Collection を中心に-
               森本豊富(早稲田大学)
<小休憩>(15:20~15:35)*質問票回収
〇コメント(15:40~16:00)  福島幸宏(京都府立図書館)
〇総合討論(16:00~17:25)
〇閉会(17:25)        大門正克(横浜国立大学)

参加無料・登録不要

■主催:日本オーラル・ヒストリー学会、
■問い合わせ先:email hidden; JavaScript is required
■共催:日本移民学会・総合女性史学会
■シンポジウム趣旨:
 オーラルヒストリーのアーカイブ化/コレクション化は、英米では1980年代から始まっている。日本でも、21世紀になって政策研究大学院大学21世紀COE『オーラル・政策研究プロジェクト』で聞き取られた多数の「公人のオーラルヒストリー」が国会図書館憲政資料室に所蔵されている。東京外国語大学同COE『史資料ハブ地域文化研究拠点』でもオーラル資料の蓄積が行われてきた。また、沖縄県公文書館では1960年代からの膨大な沖縄戦証言記録のオーラルアーカイブ化が進められてきたし、大阪社会運動協会で1980年代に聞き取られた労働運動家のオーラルヒストリーも2015年にウエブサイト上に公開された。
近年のアーカイブ学は目覚ましく、資料のデジタル・アーカイブ化が急速に進んでいる。とりわけ国立国会図書館は、書籍に加え文化財・メディア芸術・放送番組を含め、地方アーカイブをも統合するポータルサイト構築に向け「ジャパンサーチ(仮)」が準備されている。
しかし、このような活動にもかかわらず、移民史研究、地域女性史研究、戦争体験の継承等々の公共性の高い多様なオーラルヒストリー(音声資料)は私蔵されがちだし、各地で整備されたコレクションのネットワーク化も十分にはネットワーク化されていない。
日本オーラル・ヒストリー学会(JOHA)は、公共性の高いオーラルヒストリーのアーカイブ化への公的な仕組みづくりに取り組むべき時が来たと判断し、各領域でこの課題に造詣の深い方々を招き、日本におけるこの「公的な仕組み」の可能性と課題について論じる。
本シンポジウムは、本学会だけでなく日本移民学会、総合女性史学会等関連学会や、公立図書館とも連携し、領域横断的な取り組みとなることが期待されよう。

■登壇者・参考文献紹介(報告順)
安岡健一氏(大阪大学大学院准教授・歴史学)「飯田市歴史研究所におけるオーラルヒストリー」『飯田市歴史研究所年報』13号、2015年。
宮﨑黎子氏(地域女性史研究会・女性史)「史資料保存と公開(活用)の現状と可能性」オーラルヒストリー総合研究会編『歴史と自己の再発見-オーラル・ヒストリー総合研究会10年の記録 2003-2013』2014年。
小林多寿子氏(一橋大学大学院教授・社会学・JOHA)「質的調査データの公共性とアーカイヴ化の問題」『フォーラム現代社会学』13巻、2014年。
森本豊富氏(早稲田大学大学院教授・移民研究・日本移民学会)「移民研究の連携-資料の収集から活用まで」我部政明ほか編『人の移動、融合、変容の人類史-沖縄の経験と21世紀への提言』彩流社、2013年。
福島幸宏(京都府立図書館・歴史学/アーカイブズ/デジタルアーカイブ)「地域拠点の形成と意義」知的資源イニシアティブ編『デジタル文化資源の活用-地域の記憶とアーカイブ』勉誠出版、2011年。

HOMEに戻る