戦後70周年特別講演会 「戦後70年 満洲引揚げ、中国残留を問い直す」が7月16日(木)上智大学四谷キャンパスで開催されます

2015.06.19

戦後70周年特別講演会
「戦後70年 満洲引揚げ、中国残留を問い直す」

日時: 2015年7月16日(木)18時~20時半
会場: 上智大学四谷キャンパス図書館 L911室(9階)
(参加無料 予約不要)

プログラム(17時半開場、18時開演、20時半終了):

司会進行 上田貴子(近畿大学)・蘭信三(上智大学)

(1)  ポール・邦昭・丸山(米国コロラド・カレッジ名誉講師)
「戦後70年:170万同胞満洲からの引揚げ」
(2)  城戸幹
「中国残留孤児という人生-「孫玉福」と「城戸幹」として生きる」
(3)  城戸久枝(ノンフィクション・ライター)
「「満洲国」、「あの戦争」そして私たち-父の歴史から考える」

 1945年夏、約155万の日本人が「満洲国」に生きていた。そして「満洲国」崩壊過程で17万が亡くなり、残る人たちは引揚げ、約1万人の残留孤児・残留婦人が中国に残された。この「満洲国」崩壊を経験しながらも、それぞれまったく異なる戦後を生きた二人がいた。
 敗戦後の在満日本人の惨状を政府に直訴すべく決死の覚悟で帰国した丸山邦雄の息子のポール・丸山と、残留孤児・孫玉福として中国に生きた城戸幹である。ポール・丸山は東京に引揚げるもその後もう一つの祖国アメリカに渡り、日米親善に従事し教育者として生きる。城戸幹は残留孤児・孫玉福として中国に生き、北京大学に合格しながらも入学が許されず養母や親族と惜別し、1970年に単身帰国し、父の出身地愛媛で城戸幹として生きる。  
 そして城戸幹の娘・久枝は、日本で「普通」に育つが、中国留学で城戸幹の孫玉福としてのもう一つの人生に出会い、「あの戦争」に続く個人史と日中のグローバルな歴史を知る。
 本講演会では、三人の生きられた人生を手掛かりに、1932年に関東軍によって建国された「満洲国」、「あの戦争」によってもたらされた東アジアの歴史を、中・日というトランスナショナルな視点とともに、中・日・米という環太平洋の視点からとらえ直したい。

【講演者のプロフィール】
 ポール・邦昭・丸山(ぽーる・くにあき・まるやま)
 1941年東京生まれ。丸山邦雄の三男、「満洲」からの引揚げを体験。ハワイ大学MBA取得。アメリカ空軍中佐退役後、コロラド・カレッジにて日本語教育に従事、名誉講師。元南コロラド日米協会創設者兼会長。日米友好親善の促進に寄与したことで2013年旭日小綬章受賞。1964年東京オリンピック柔道選手。1980年、1984年五輪コーチ(アメリカ代表)。著書に(高作自子訳)『満州 奇跡の脱出 』柏艪舎。 
http://www.hakurosya.com/manchuria/

城戸幹(きど・かん)
 1941年、旧「満洲国」東北部の三江省富錦生まれ。1945年8月、終戦の混乱により両親と生き別れ、牡丹江市近郊の頭道河子村で中国人夫婦の養子となる。以降、戦後混乱期の中国を孫玉福(スンユイフー)として生きる。1959年、日本赤十字社等への手紙の投函を開始。文化大革命の中を生き抜き、ついに1970年に日本の両親と再会を果たした。愛媛県在住。著書に『瞼の媽媽』(『孫玉福39年目の真実』改題)(情報センター出版局、2009年/文春文庫、2014年)。
http://www.4jc.co.jp/books/detail.asp?id=2158

 城戸久枝(きど・ひさえ)
 1976年、愛媛県生まれ。ノンフィクションライター。『あの戦争から遠く離れて-私につながる歴史をたどる旅』(情報センター出版局、2007年/文春文庫、2012年)で第39回大宅壮一ノンフィクション賞、第30回講談社ノンフィクション賞などを受賞。「遥かなる絆」と題してNHKでドラマ化される。
http://www.4jc.co.jp/free/t/anosensou/tokushu.html 
 その他の著書に『長春発ビエンチャン行-青春各駅停車』(文芸春秋、2011年)。『祖国の選択あの戦争の果て、日本と中国の狭間で』(新潮社、2015年)。
https://www.shinchosha.co.jp/book/338071/

 お問い合わせはkaken25245060*gmail.comまで(*を@にかえてください)
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