2025年12月08日 15:58:35
2025年度 東南アジア考古学会 研究大会 テーマ:「遺跡のヒストリオグラフィ:考古学・地域研究・文化遺産論」 大会趣旨:2025年度の研究大会は、「遺跡のヒストリオグラフィ」を掲げ、これまで王権や国家の産物としての切り口が主流であった遺跡観やその歴史観を問い直します。考古資料、地域の伝承や記録、そして文化遺産保護等の異なる史資料とアプローチを通じて、遺跡に包摂される地域社会の歴史と文化は、どのように叙述することが可能となるのでしょうか。考古学を主軸のディシプリンとする当学会において、遺跡の歴史叙述の可能性を考古学・地域研究・文化遺産論という異なる視座から探るこの作業は、ディシプリンを超えた遺跡をめぐる学問知創造の一歩となることが期待されます。基調講演には、北條勝貴氏(上智大学文学部)をお迎えし、パブリック・ヒストリーの展開と地域との協働による「場」の記録・記憶の掘り起こし作業についてご講演いただきます。基調講演に続き、会員の田代亜紀子、石井龍太、丸井雅子が、それぞれのフィールド(インドネシア・ボロブドゥール、琉球・宮古、カンボジア・アンコール)を中心とした発表をおこないます。 [プログラム] 「遺跡のヒストリオグラフィ:考古学・地域研究・文化遺産論」 総合司会:小野 林太郎(国立民族学博物館) 13:00-13:10 開会挨拶・主旨説明 丸井 雅子(会長) 13:10-14:10 基調講演 北條 勝貴(上智大学文学部) 「忘れられたケモノたちを呼び起こすということ──近代毛皮獣養殖のパブリック・ヒストリーから──」 (*以下発表30分、質疑応答5分) 14:15-14:50 発表1 田代 亜紀子(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院) 「ヘリテージとコミュニティのエンパワメント:ボロブドゥル遺跡を中心に」 14:55-15:30 発表2 石井 龍太(武蔵大学人文学部) 「宮古島猪俣集落を巡るパブリック・ヒストリー」 15:35-16:10 発表3 丸井 雅子(上智大学総合グローバル学部・アジア文化研究所) 「アンコール遺跡のなかの“周縁”:ナラティブのゆくえ」 16:20-17:00 総合討論 17:00 閉会挨拶