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■ 講演会

2007年10月30日 13:44:47

講演会「インドネシア―宗教紛争とイスラーム・テロの真相」が2007年11月26日(月)に開催されます。

中スラウェシ州ポソでは、1998年末、ムスリムとキリスト教徒のあいだで抗争が勃発、1000人以上が死亡、10万人が避難民となりました。2001年12月、政府の調停で、ムスリムとキリスト教徒の和平合意(マリノ合意)が結ばれ、宗教抗争は沈静化に向かいましたが、その後も、キリスト教徒が多く住む地域での爆弾事件、キリスト教徒の女子高生の斬首事件、キリスト教牧師の狙撃事件が起きるなど、事態はムスリムによるテロと化しました。

これに対し、米軍の訓練と莫大な資金を受けた警察第88別働隊による反テロ作戦が現在も続けられており、国連人権理事会でも指摘されたように、反テロ作戦の名のもと、大規模な人権侵害が発生しています。また、地元政治エリートが資金提供やムスリム青年の動員を通じてテロを扇動した、テロ指導者と国家情報庁(BIN)や警察第88別働隊と協力関係にある、といった証言も少なくありません。

宗教抗争後、中スラウェシでは、カナダ資本のインコ社+住友金属鉱山梶iニッケル)、英・豪資本のリオ・ティント社(金)、国軍に近いアルサ・グラハ・グループ(大理石、オイルパーム農園)、スハルトに近いメドゥコ+三菱商事(石油・ガス)などが事業を拡大しています。そのため、土地収用やプロジェクト・サイトの警護のために治安部隊がさらに増派されることが懸念されています。

インドネシアの宗教紛争とイスラーム・テロの真相について、現場で活動されるお2人に語っていただきます。

● スピーカー
サンディアワン・スマルディ神父
1958年、南スラウェシ州ジェネポント生まれ。ジョグジャカルタの神学校時代から、とくに「小さな民」への支援を精力的にはじめる。日本の輸銀(現JBIC)融資によるクドゥン・オンボ・ダム建設で土地収用された人びとの支援をおこなった経験も。1998年5月スハルト退陣時に起きたジャカルタ暴動について真相を解明しようとした活動は、とくに著名。活動ゆえにインドネシア治安部隊の標的となり、脅迫・逮捕された経験もある。1996年、インドネシアで権威あるヤップ・ティアム・ヒェン人権賞を受賞した。

ダネル・ラシンポ
1976年、中スラウェシ州パル生まれ。大学時代の1990年代半ば、民主化運動に関わるようになり、ジャカルタに拠点を移す。当時非合法組織とされていた民主化のためのインドネシア学生連帯(SMID)、民主人民党(PRD)などでの活動を経て、中スラウェシに戻る。現在はタナ・ムルデカ財団、ポソ・センター(パルとポソにおける32NGOの連合体)で、ポソ宗教紛争や対イスラーム・テロ作戦について調査やキャンペーンを集中的におこなっている。


※本講演会は、トヨタ財団「アジア隣人ネットワーク」プログラムの助成を受けて開催されます。

主催アジア文化研究所
日時2007年11月26日(月)18:00-20:00
テーマインドネシア―宗教紛争とイスラーム・テロの真相
講師サンディアワン神父(人道ボランティア・ネットワーク責任者)、ダネル・ラシンポ(タナ・ムルデカ財団)
場所上智大学四ツ谷キャンパス中央図書館8階L-821
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