研究会・講演会など

【報告】The American Occupation and Whale Meat in Early Postwar Japan

報告

Jakobina Arch先生(Whitman College助教)をお迎えして、“The American Occupation and Whale Meat in Early Postwar Japan”というタイトルでご講演をして頂きました。講演では、地域的な営みであった日本の捕鯨が、アメリカの占領政策によって「日本文化」としての地位を獲得した経緯を明らかにされました。その中で、日本政府が占領軍によって推進された捕鯨を利用することで、日本人としての独立したアイデンティティーの形成を試みたことにも言及し、ナショナル・アイデンティティーの政治性にも迫りました。占領期の日本は、占領されている受動的な状況から、女性としてジェンダー化される傾向にありました。しかし日本政府は、捕鯨船の乗組員を英雄化する言説を展開することで、その男性性を強調し、主権国家としての意識を国民の間に形成しようとしたのです。同じく、昨今社会問題になっているシー・シェパードを始めとする反捕鯨団体と日本の対立も、イデオロギーを巡る非常に複雑な構造を持つ、根が深い問題なのです。講演後の質疑応答も活発に行われ、非常に有意義な時間でした。(報告者:皆川祐太、文学研究科英米文学専攻博士後期課程3年)

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要旨
During the Allied Occupation of Japan (1945–52), whales became entangled in state policies dealing with food shortages and democratization. At this time, American policy-makers supported the revitalization of the whaling industry and distribution of whale meat in school lunches, which shifted how people should use and think about whales in Japan. American concern about food shortages both during and after the war were instrumental in promoting widespread whale consumption, by fitting whale meat into a new framework of distribution for a generation of children fed whale at school.
講師 Jakobina Arch(Assistant Professor of History, Whitman College)
日時 7月14日(金)17:00-18:30
場所 上智大学 四谷キャンパス 中央図書館9階 L-911
使用言語 英語
参加費/予約 参加費無料/予約不要
ポスター画像 Arch