報告 |
Jeannie N. Shinozuka先生(University of Washington助教)をお迎えして、“Insect Immigrants: Bionativism and Racial Formations in a Regional Perspective”というタイトルでご講演をして頂きました。講演では、生物学的排外主義(biological nativism)という、外来の植物、昆虫、そして民族から、国家の生物圏を守るべきだという概念を軸に、アメリカに移入された日本由来の植物、昆虫に対するアメリカ人の態度が、日系移民への評価と関係していた点を論じ、環境問題が人種概念の形成に果たす役割をご指摘になられました。つまり、生物学的排外主義は生命活動に基づく境界線を定め、特にアジア地域からの植物、昆虫、移民の流入の制限へと向いました。こうした生物学に基づく政治システムに目を向けると、国境と帝国という概念だけではなく、人間と自然の間の二項対立をも乗り越えることができ、人間と自然の間の相互関係を明らかにすることが可能になります。人間中心ではなく自然中心の視座より、日系移民史を再構築する可能性があることを学ぶことができました。質疑応答も活発に行われ、非常に有意義な講演会でした。 |
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講師 |
Jeannie N. Shinozuka( Acting Assistant Professor, University of Washington) |
日時 |
2017年6月5日(月) 17:00-18:30 |
場所 |
上智大学 四谷キャンパス 中央図書館8階 L-821号室 |
使用言語 |
英語 |
参加費/予約 |
参加費無料/予約不要 |
ポスター画像 |
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