講 師 |
宮崎広和 (Kay Davis Professor and Professor of Anthropology, Northwestern University)
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日 時 |
2024年10月24日(木)17:30-19:00
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場 所 |
上智大学中央図書館8階821号室
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対面開催
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使用言語 |
日本語
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参加費 |
無料
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概要 |
都市外交の持つ可能性と限界について広島市と長崎市の姉妹都市関係を中心に講演いただきました。特に、長崎市とセントポール市の70年以上にわたる交流の歴史を掘り下げながら、この関係が核軍縮や平和運動、文化交流といった幅広い活動を通じて築き上げてきた意義を振り返りました。その中で、セントポール市の財界人ルイ・ヒル・ジュニアと、彼の父親が雇った広島県出身の庭師、塚前吉衛、さらに長崎市から派遣されコモ公園の日本庭園造営を指導した松田正美の物語が、この姉妹都市関係に大きな影響を与え、これらの人物を通じて、個々の努力や交流がどのように都市間の連携を築き、継続させてきたのかが浮き彫りになりました。また、この長年の交流が単なる文化的なつながりにとどまらず、原爆の日の祈念行事や市民参加型の平和活動を通じて、より広範な市民運動に発展してきた点も重要です。都市外交は、こうした草の根レベルのつながりによって力を得ることが改めて示されました。最後に、都市外交の新たな可能性として、気候変動や移民問題といった現代的な課題にも、姉妹都市関係が積極的に関与していくべきだという視点を共有しました。(参加人数:13名) |
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