講 師 | 宮崎広和 (Kay Davis Professor and Professor of Anthropology, Northwestern University) |
|
---|---|---|
日 時 | 2024年10月24日(木)17:30-19:00 |
|
場 所 | 上智大学中央図書館8階821号室 *学外の方は中央図書館入館の際、受付にお申し出ください。 |
|
対面開催 |
||
使用言語 | 日本語 |
|
参加費 | 無料 |
|
申込み | ||
概要 | 気候変動、移民難民、核軍縮など特定のグローバルなイシューをめぐる都市外交が活性化するなかで、姉妹都市関係はどのような役割を担っているのだろうか。例えば、被爆地である広島市と長崎市の米国における姉妹都市(それぞれハワイ州ホノルル市とミネソタ州セントポール市)との関係はどのような経緯で始まり、また、核兵器をめぐる政策や市民運動とどのような関係性を持って展開してきたのだろうか。とりわけ、日米間最初の姉妹都市がなぜセントポール市と長崎市だったのか。1955年、セントポール市は長崎市に対して都市縁組関係の締結を提案した。この提案の背景にどのような政治的・経済的利害が絡んでいたのか、さまざまな憶測が存在する。しかし、この講演では、オーケストラの交流などの文化交流から原爆の日に平和を祈念する集いを含む反核運動まで、幅広い活動を内包しながら70年間にわたって継続し多岐に展開してきたこの関係を、その持続性と幅の広さがもつ意味について考えることにしたい。そのために、この交流の歴史に登場する二人の庭師――セントポール市と長崎市の姉妹都市関係で中心的な役割を担ったセントポール財界の重鎮ルイ・ヒル・ジュニアの父親が1920年代にカリフォルニア州の別荘で雇っていた広島県出身の日系の庭師、塚前吉衛、そして1970年代から長崎市の派遣で数度にわたってセントポール市コモ公園の日本庭園造営を指導した松田正美――をめぐる物語を掘り下げていく。この作業を通じて、特定のイシューをめぐる都市外交、そしてより幅広い市民が参加する姉妹都市関係、それぞれが持つ可能性と限界について考えたい。 | |