授業紹介

授業紹介:アフリカ史

担当教員:眞城百華
カテゴリ:専門(300番シリーズ)
レポート日:2022/07/20

教員からのコメント Comment of Professor

本講義では、主にサハラ以南アフリカの歴史をアフリカの視点から包括的に学ぶことを目的としている。対象時期は、紀元前から20世紀までと幅広い。中心的に取り上げるのは19世紀後半以降の植民地支配やアパルトヘイトであるが、植民地支配以前のアフリカと中東やアジアとの関係史、大西洋奴隷貿易とアフリカの関係性とその現代的意味などについても取り上げる。
大陸の歴史を総括することは容易ではないが、現在のアフリカの理解にはアフリカの歴史を知ることは不可欠である。高校までの世界史では、欧米やアジア・中東と比べるとアフリカに関する記述は圧倒的に限定されている。そのため、本授業では通史としてのアフリカ史を捉え、さらにアフリカ(人)の視点からとらえたアフリカの歴史、また世界の諸地域との関係について考察することを目指している。

学生からの声 class interview

古くは西欧との関係が始まる大航海時代以前の交易の時代から、列強による分割、植民地化を経て、独立から現在までのアフリカ史を概観している。主に、植民地支配を中心に取り上げ、列強の支配がアフリカ諸国の文化、経済など様々な面に影響を与えたことを示す。その上で、現代アフリカが抱える問題への理解を深める。
アフリカには54もの主権国家が存在し、それぞれが異なる歴史を歩んできた。植民地化の有無、宗主国の違いなど、その歴史は実に多様である。しかし、高校までの教科書の中には数ページしかアフリカに関する記述がない。これでは断片的な理解しか出来ていないと感じたため、アフリカの歴史だけを学習できる本講義を履修した。
「18世紀に全盛期を迎え、その後衰退していった奴隷貿易」。これだけ見ると、この問題が解決したように見えるが、実際には現代においても関心が向けられ、国際的に議論されている。歴史が現代における問題意識にどのように繋がっているか、いくつかの実例をもって解説して頂ける点が魅力的だと感じる。
(総合グローバル学部 2年生)

本授業は、アフリカにおける歴史の展開、また世界史の中におけるアフリカの位置付けを各国家又は地域の事例から学び、現代アフリカが抱える諸問題に対する理解を深めるものである。特に、西欧列強によるアフリカ進出の実情とその影響について詳しく取り上げている。
自らのメジャーがアフリカ研究であるため、アフリカについて詳しい知識を得たかったことから履修することとした。以前、眞城先生の授業(アフリカ・ジェンダー論)を受けた際に、アフリカの歴史や社会に興味を持ち、また授業を受けたいと思った。本講義の魅力は、アフリカの歴史を深く、幅広く学ぶことによって、高校で学んだ「世界史」がいかに西欧中心的なものであるかに気づかされ、これまでの自分のアフリカ及び世界に対する考えや価値観が変わることにあると考える。
(総合グローバル学部 3年生)

本講義は、サハラ以南アフリカの歴史を「アフリカの主体性」に着目しながら展開される。アフリカ史を紀元前から学ぶことで世界史との連関を確認し、その上で現代アフリカ諸国が抱える諸問題を再考する。講義を通じて、アフリカ諸国が抱える社会・経済・政治の問題の理解に歴史の視点がいかに重要かを感じている。
眞城教授の秋学期開講の「アフリカ・ジェンダー論」の受講を通じて、「誰の視点で見る歴史・社会なのか」という着眼点が非常に勉強になり、同教授の講義が好きになった。また、私はアフリカ地域を専攻しているため、アフリカ地域専門の教授から歴史を学ぶことは自分の研究にも欠かせないと思い、履修を決めた。
本講義の魅力は、大きく2つあり、1つ目に、サハラ以南アフリカのほとんど全ての地域の歴史を幅広く扱うところである。1つの講義でこれだけの地域を網羅的に学習できるのは贅沢だと感じている。2つ目に、「視点」のバイアスに気付ける点である。世界史の学びで隠されていたアフリカの歴史を捉え直すことができる。
私は3年生の春学期からアフリカ地域研究のゼミに所属している。そのため、研究テーマに応じて現代アフリカ諸国が抱える課題に歴史的な背景から検討したり、本講義で学んだ「アフリカの主体性」という視点を応用したりすることで、自分の研究のヒントにしていきたい。
(総合グローバル学部 3年生 三浦真湖)

一覧へ戻る