授業紹介

授業紹介:国際政治経済論(政治学的アプローチ1)

担当教員:鈴木一敏
カテゴリ:専門(300シリーズ)
レポート日:2018/07/30

FGSの学生は普段どのような科目を履修し、どのようなことを学んでいるのでしょうか。
今回は鈴木一敏先生による科目「国際政治経済論(政治学的アプローチ)1」をご紹介します。

教員からのコメント Comment of Professor

国際関係学は、インターディシプリナリー(inter-disciplinary)な学問だと言われます。複数の専門分野(ディシプリン)を横断するような学問という意味です。これは、国際関係が複雑かつ複合的な現象であり、様々な角度から眺める必要があるからでしょう。国際政治経済は国際関係学の一分野ですが、まさにそのような特性を持っています。国家の対外経済政策は、経済的な豊かさを目的に行われますが、同時に外交・安全保障上の思惑にも大きく左右されるのです。

そこでFGSでは国際経済について、経済学的な視点から分析する講義(経済学的アプローチ)に加えて、政治学的な視点から分析する講義も用意しています。本講義は、このような、国際経済の政治的側面に着目します。国家間の経済関係(たとえば貿易や投資の自由化やグローバル化)に関して、その政治的な原因や影響を分析する視角を紹介してゆきます。

現在、世界経済を律する国際体制は変動期にあります。WTOの多国間自由化交渉が行き詰まり、FTAのような地域主義が増加してきました。そうかと思えば、最近ではBrexitやアメリカのTPP離脱、日欧EPAやTPP11の妥結など、様々な動きがあります。学生の皆さんは、これからの人生において、この変動の過程と行く末を体験することになるでしょう。この講義の目的は、これまでの歴史的経緯についての知識と、それを説明する理論的枠組について、適用・応用を見据えた理解を深めてもらうことです。それによって、今後の出来事を観察するうえで役に立つ「物差し」を体得してもらえたらと思っています。

学生からの声 class interview

・この授業は主に国際社会における経済問題(通商問題や投資の自由化)を、政治学的な側面からアプローチすることよって深い理解を得るために必要な理論や事例を学ぶことができます。1年次の必修である国際関係論入門で学ぶ理論にも触れるため復習的な側面を持ちつつも、国際政治経済論としてより深いレベルでの理解を求められるため、事例を織り交ぜつつも複雑な理論について取り上げられています。同時期に開講されている国際政治経済論(経済学的アプローチ)と並行して受講すると、国際政治経済論について体系的かつ多角的に理解できると思います。「国際政治経済における諸問題を政治学の目線から考えたい」「政治について学びつつ、経済にも触れてみたい」「国際政治経済論のゼミに行きたいけど政治学アプローチにしようか経済学アプローチにしようか悩んでいる」このように考えている人にはぜひこの授業の受講をお勧めしたいです。(
池谷海太/総合グローバル学科3年)

・国際政治領域をメジャーにすると決め履修を考えている時に、今学期から開講されるこの講義の事を知った。もともと経済が苦手な私は政治経済には惹かれなかったが、「政治的アプローチ」という言葉に興味を持ち履修を決めた。実際に講義を受けてみると講義中に出てくる言葉は一年生のときに習ったものが多く、名前の通り政治学的視点から政治・経済を学ぶ講義となっている。レジュメも単なる穴埋め形式というわけじゃなく、講義内容を「流れ」で示しているのでもしも講義中に理解できないところがあってもレジュメと併用して学習することが出来る。また鈴木教授本人の体験談を交えた説明もあるので、毎回が興味深い講義となっている。私が全講義の中で最も印象に残っているは、授業内で取り扱った「囚人のジレンマ」を生徒全員で実践した事だ。習ったことをただインプットするだけは無く、自分が体験することで理解がさらに深まると思った。このようにこの講義では私のような政治経済に苦手意識を持っている生徒の目線になって、安心して理解出来るような工夫がたくさん施されている。約 3 ヶ月この講義を受けて私は国家間のできごと全ての基盤は政治であることに気づき、また政治・経済という分野にも興味を抱く事が出来た。(大場翔太朗/総合グローバル学科2年)

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