■ 講演会

2017年01月13日 16:56:22

アジア研究セミナー2016年度第4回「バンチェン遺跡:考古学と人類学からみる地域の歴史と人々」が2017年1月28日(土)に開催されます。

1960年代後半から70年にかけて北及び東北タイで実施された発掘調査は、それまでの考古学の常識を覆すような「世界最初の農耕文明がタイに発する」という説を導き出しました。その研究成果が与えた衝撃「バンチェン・ショック」は戦後日本における東南アジア考古学研究にも大きな影響を与え、やがて1977年の東南アジア考古学会発足へと結びつきました。その後見直された年代観は、バンチェンを初期金属器文化と再定義しています。今回のセミナーでは、いまあらためて最近の東南アジア大陸部及び周辺地域の考古学調査成果と合わせてバンチェン遺跡の考古学及び歴史的位置づけを、新田栄治先生にご講演いただきます。また地域住民の生活へも大きな変化をもたらしたこのバンチェン・ショックとその後について、中村真里絵先生に近年のご自身によるフィールドワークに基づきひもといていただきます。考古学と人類学から見つめなおすバンチェン遺跡のセミナーです。

主催主催:上智大学アジア文化研究所
共催:東南アジア考古学会
日時2017年1月28日(土)14時−17時
会場上智大学四谷キャンパス12号館2階203教室
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_Yotsuya http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya 
プログラム13時40分開場
14時−15時 講演1「考古学からみるバンチェン遺跡」講師 新田栄治氏(鹿児島大学名誉教授)
質疑応答・休憩
15時半−16時半 講演2「世界遺産バンチェン遺跡に生きる:村人たちのライフヒストリーから」講師 中村真里絵氏(国立民族学博物館外来研究員)
質疑応答
17時終了

講演概要(講演2):1967年にバンチェン遺跡が発見されると、タイ東北部の田舎の村は突如として世界中の注目を浴びることとなった。国内外から考古学者や古美術商が訪れ、村人のなかには発掘や盗掘に従事するようになった者もいた。その後、博物館建設や世界遺産登録を経て、現在、村人は世界遺産に生きることに誇りを持っているかのようにみえる。遺跡発見から現在にいたるまでのおよそ50年間、彼らの遺跡や 遺物に対する価値観、評価、意識はいかに変化してきたのだろうか。それらはタイ国の社会的動向と密接なかかわりがある。国家や地域の歴史に埋もれてしまいがちな村人のライフヒストリーから、世界遺産とそこに地域の人びとの新たな関係性を提示したい。
申込無料、事前登録不要。直接会場にお越しください。どなたでもご参加いただけます。