上智大学

上智大学 文学部新聞学科

DEPARTMENT OF JOURNALISM

髙橋ゼミ

担当教員

髙橋 直治

所属ゼミの特徴・雰囲気

「映像メディア表現ゼミナール」(Media Practice Seminar)です。
映像メディアに媒介された世界の凡ゆる事象を社会的な「行為」として捉え、作り手・送り手・受け手の循環的な活動として体感・分析することを基本としています。ゼミ自体が、他者とともに見ることと聞くこと(Audio & Visual with Others)を実践し、学び合いのプラットフォームになったらいいと思っています。(注意:“エンタメ”なるものやドラマというジャンルのみを専門特化して扱うことはありません。映像メディア表現においては、安易なジャンル分けによる思考停止を戒めたいと思います。)

髙橋ゼミの目標は2つ:
① 世界の凡ゆる事象を批判的かつ当事者意識を持って見つめられるようになる
② ゼミ活動のなかで自身の研究テーマとモティーフを発見し、卒業論文を完成させる
具体的には、「メディア表現」を受け手として分析対象にするだけでなく、「メディア表現」の作り手・送り手としての制作発信体験を行うことにより、受容(観賞)と表現(制作)を循環的に捉え、創造的な実践研究者、批判的なメディア表現者になることを目指します。だが、あくまでもゼミナールの最終目標は、各自が卒業研究論文という一つの言語作品を仕上げることであり、ゼミナールという場は、そのための基礎体力及び態度や思想を、教員及びクラスメートとともに養う場であることを忘れないようにしたい。
(それは同時に、誰にとっても大切な「善く・生きる」態度を身につける、ということでもあるでしょう。)

ゼミの進め方

「映像表現ワークショップ」の実践をはじめ、メディア表現作品の企画構想、シナリオ創作、映像化プロセスワーク、発表等の制作活動を通じて、映像メディア表現の「作り手・送り手」の次元を体験します。これによって、メディア表現のプロセスに存在する多様な問題を体得することを目指します。特に、実践型映画社会学演習としては、個人的と思われている物語を、写真や動画を使って、作品を制作し、他者と協働・共有することで、社会的な「作品」(番組ではありません)にしていくような、受容と表現の循環的なレッスンを行います。他者とともに見ることと聞くこと(Audio & Visual with Others)を、私的な問題を社会的な問題として深化・発展して生成させていくための基底プロセスと捉え、映画映像表現のための方法として活用していく演習です。これまでの社会学研究で,質的調査や質的研究として行われてきた多様な方法を,Audio & Visual表現として捉え直し、表現論的転回を図るものです。理論を実践に反転させ、実践を理論へと反転させる。演習課題としては、各自が、多様な社会学的方法を使って、映像作品を制作します。
同時に、関連する基本文献の輪読をはじめ、卒業論文の準備としての個人ワーク(取材・資料収集、フィールドワーク等)も進めます。個人発表とゼミメンバー全員でのディスカッションを繰り返しながら、主題と方法を吟味し「問い」を練り上げていきます。
最終的には、各自の卒業論文完成までのプロセスが、各々のこれからの現実の人生をも照らし出してくれる、小さな角灯になればと思っています。