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VOL.2
2010年卒業
JICAボランティア(青年海外協力隊)
坐間 昇さん

私の原点

私は2005年に上智大学外国語学部ポルトガル語学科に入学しました。
そのきっかけとなったのは、高校時代のブラジル留学です。

高校時代にバレーボールをしていたので、スポーツ大国ブラジルでバレーボールをしたいという想いがありました。
しかし、留学中に貧富の格差と貧困問題を目の当たりにし、国際協力に関心を持って帰ってきました。
将来は国際機関で開発途上国に関わる仕事がしたいと思うようになり、そのためには一般的に語学力、修士以上の学位、そして二年以上の開発途上国での職務経験が必要であると言われていることから、まずは語学の習得から取り組むことにしました。ブラジル留学で習得したポルトガル語をより深く学ぶため、ポルトガル語学科に入学しました。

ブラジルに留学していたため、ポルトガル語のリスニングとスピーキングはできたものの、文法・講読・作文などは全くできませんでした。1・2年次にこれらを総合的に学べたことは、ポルトガル語の習得に大いに役立ちました。
そして、3・4年次にそれまでに習得したポルトガル語を使って、関心のあったブラジルの貧富の格差と貧困問題に関する研究ができたのもとても有意義でした。

ポルトガル語学科を卒業後、さらに専門性に磨きをかけるべく、大学院に進学し、修士号を取得しました。大学院では経済学を専攻し、国際経済学と環境経済学に関する専門知識を身につけました。

その後、大学のリサーチアシスタント等を経て、現在はJICAボランティア(青年海外協力隊)としてネパールで廃棄物管理と環境政策に携わっています。
大学時代はブラジル、現在はネパールとあまり共通性がないように見えますが、「今までやってきたことはいつか必ずつながる」と言って送り出してくださったポルトガル語学科の恩師の言葉を信じて国際協力分野のキャリアを積んでいます。

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私は上智大学外国語学部ポルトガル語学科で勉強できて本当によかったと思っています。
私は高校時代のブラジル留学を経て国際協力に関心を持ちました。そしてポルトガル語学科では国際協力に必要な語学力と専門性の基礎を習得することができました。その後、さらに専門性に磨きをかけ、開発途上国での職務経験を積むことになりましたが、ポルトガル語学科で語学と地域研究を学べたことが、今振り返ると自分のその後の専門性を方向付けるうえで大いに役立ったと思います。地域研究は学際的な分野で、その地域に関する様々な事柄を幅広く学ぶことができます。そして、その中から自分のやりたいことを見つけることができます。このアプローチが私には合っていました。

きっかけは何でもよいと思います。ぜひポルトガル語学科に入学してポルトガル語と地域研究を学び、自分にしかない道を切り開いていってください。