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著者発行者発行年請求記号
『日本で暮らす移住者の貧困』
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00年代に入り「貧困」という概念が、いわゆる「発展途上国」のみならず、日本における社会問題として語られるようになった。とはいえそれは日本人大学卒男性が貧困層に加わるようになったからであり、女性、障害者、そして移住者の貧困は当然のものとみなされ、放置されつづけてきたのである。とはいえ移住者支援の現場においても「多様性の尊重と社会経済的な平等が緊張関係にあること」つまり「現状のままでの多様性の尊重のみの追及は、かえって移住者が置かれている不平等の克服を困難にする」という認識は明確でなかったと本書にある。本書では在日南米人、フィリピン人シングルマザー、子供たち、さらに労働法や社会保障の観点から移住者の貧困が取り上げられている。執筆者がすべて日本人であることを含め本書が重要なしかし限界を持つたたき台として、移民当事者の「貧困と困難の克服」に役立つことを祈る。

(栗田隆子・IGC職員)

移住連貧困プロジェクト編移住労働者と連帯する全国ネットワーク2011
『移民・ディアスポラ研究「東日本大震災と外国人移住者たち」』
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被災時に自分はどう行動すればよいのか?「言葉の壁」による情報格差を生まないよう、東日本大震災時は様々な機関、団体がかなり早い段階から多言語での情報発信を始めた。しかし、それでも、「正しい情報」が必要とされる人に的確に届いたわけではなかった。本書で改めて重要とされたのは、地域NPO関係者や日本人家族など地域とのつながり、そして、同国人コミュニティなど、日常的につながりを持つ人を介した情報伝達網、つまり「人による伝達」だ。また、本書に紹介される法律相談や労働相談からは被災地で生活継続しようとする人々と支援者の苦労や困難、そして希望を知ることができる。

(小田川華子・IGC職員)

駒井洋監修、鈴木江理子編著明石書店2012
『ニューカマーの子どもと移民コミュニティ―第二世代のエスニックアイデンティティ』
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物心つく前から片親または両親が日本に出稼ぎに行き、学齢期に日本に呼び寄せられた1.5世のフィリピン系ニューカマーの子どもたち。来日にあたり、期待や抵抗、諦めなどがありつつも、親に従い、移住を受け入れていく子どもたちの心情が語られている。 「受けた恩は返すのが礼儀」「お互い様」という行動規範があるフィリピンに対し、日本の子どもたちの人間関係は「俺は俺、お前はお前」と「冷たい感じ」がしたという来日当初の困惑を乗り越え、子どもたちは学校、学習教室、教会などで居心地の良い場を築いていく。 2つの文化の中で生きる子どもたちは、自分のエスニックアイデンティティをうまく切り替えながら人生のかじ取りをしているようにもうかがえ、とても興味深い。

(小田川華子・IGC職員)

三浦綾希子勁草書房2015
“No one home : Brazilian selves remade in Japan”Daniel Touro Linger Stanford 2001
“Brokered homeland : Japanese Brazilian migrants in Japan”Joshua Hotaka Roth Cornell 2002
“Strangers in the ethnic homeland : Japanese Brazilian return migration in transnational perspective”Takeyuki Tsuda Columbia 2003
“Local Citizenship in Recent Countries of Immigration : Japan in Comparative Perspective”Takeyuki Tsuda (EDT) Lexington Books 2006
『アジアの交差点―在日外国人と地域社会(増補改訂版)』会沢勲社会評論社1996
『沖縄社会と日系人・外国人・アメラジアン―新たな出会いとつながりをめざして―文部科学省科学研究費補助金・研究成果公開促進費事業』安藤由美ほか編クバプロ2007
『ブラジル人と国際化する地域社会―居住・教育・医療』池上重弘編著明石書店2001
『地図でみる日本の外国人(改訂版)』石川義孝ナカニシヤ出版2019
『「滞日」互助網 : 折りたたみ椅子の共同体』イバーラ・C・マテオフリープレス2003
『外国人居住者と日本の地域社会』奥田道大ほか明石書店1994
『外国人労働者の人権と地域社会―日本の現状と市民の意識・活動』鐘ヶ江晴彦編著明石書店2001
『移民と「エスニック文化権」の社会学―在日コリアン集住地と韓国チャイナタウンの比較分析』川本綾明石書店2018
『朝鮮学校の教育史―脱植民地化への闘争と創造』呉永鎬明石書店2019
『移民をめぐる自治体の政策と社会運動』駒井洋編著明石書店2004
『在日外国人と多文化共生―地域コミュニティの視点から』佐竹眞明編著明石書店2011
『朝鮮と私―平和・人権・住民自治を求めて』末本徹夫マイブック社1999
『留学生のソーシャル・ネットワークとソーシャル・スキル』田中共子ナカニシヤ出版2000
『移住者と共に生きる教会』谷大二女子パウロ会2008
『外国人非集住地域のエスニック・コミュニティと多文化教育実践―フィリピン系ニューカマー親子のエスノグラフィー』坪田光平東北大学出版会2018
『日本の内なる国際化―日系ニューカマーとわたしたち』戸井田克己古今書院2005
『外国人住民の「非集住地域」の地域特性と生活課題―結節点としてのカトリック教会・日本語教室・民族学校の視点から』徳田剛ほか創風社出版2016
『阪神淡路大震災、そのとき、外国人は?』飛田雄一神戸学生青年センター出版部2019
『在日外国人の住民自治―川崎と京都から考える』富坂キリスト教センター在日朝鮮人の生活と住民自治研究会編新幹社2007
『朝鮮学校を歩く―1100キロ/156万歩の旅』長谷川和男明石書店2019
『カワサキ・キッド』東山紀之朝日新聞出版社2015
『兵庫の大震災と在日韓国・朝鮮人』兵庫朝鮮関係研究会編社会評論社2009
『兵庫のなかの朝鮮―歩いて知る朝鮮と日本の歴史』「兵庫のなかの朝鮮」編集委員会編著明石書店2001
『東日本大震災後の宗教とコミュニティ』星野英紀/弓山達也編ハーベスト社2019
『自治体がひらく日本の移民政策―人口減少時代の多文化共生への挑戦』毛受敏浩編著明石書店2016
『団地と移民―課題最先端「空間」の闘い』安田浩一kadokawa2019
『多文化共生社会と外国人コミュニティの力―ゲットー化しない自助組織は存在するか?』吉富志津代現代人文社2008
『なぜコリアンは大久保に集まってくるのか―在日コリアンの経済学』李光宰柘植書房新社2018