|
|
|
|
矢澤達宏(やざわ・たつひろ) |
|
専門地域 |
サブサハラ・アフリカ(とくにポルトガル語圏の諸国)、ブラジル |
専門分野 |
アフリカ地域研究(とくに政治、歴史、民族とネイション)、ブラック・ディアスポラ研究(とくにブラジルの黒人史と人種間関係) |
- プロフィール
- 小・中学生の頃、地図帳を眺め、ドキュメンタリー番組を観ては、日本からはるか遠いアフリカやラテンアメリカの地に思いをはせていました。そこにはいったい、どのような人々が暮らし、どのような街や村があり、どういった文化があるのだろうかと。これら地域の学べる大学を選び、アフリカ研究のゼミでその醍醐味にあらためて魅了され、研究者を志しました。ただ、本格的な研究テーマを設定するにあたり、ラテンアメリカへの思いも断ちがたく、両方の地域を関係づけることはできないものかと考えました。思案の末、ラテンアメリカのブラック・ディアスポラ(奴隷として他地域への離散を余儀なくされたアフリカ人とその子孫の人々)としては最大規模を誇り、文化的にもアフリカの影響の色濃いブラジルの黒人が、そのルーツたるアフリカに対しどのような見方をし、どのような姿勢をとってきたのかを探究することにしました。以来、これを柱にしながら、アフリカの政治や歴史、ブラジルの黒人史や人種間関係についての研究を進めてきています。
前者に関しては、政治の構造的側面(制度と実態の乖離など)や民族集団とネイションの関係性を主たる問題関心とし、対象はポルトガル語圏の諸国が中心です。後者については、19世紀のアフリカ帰還現象、20世紀前半のサンパウロにおける黒人新聞、1960〜70年代の黒人運動家アブディアス・ド・ナシメントの思想などを取り上げてきています。
- 主な出版物
- 矢澤達宏『ブラジル黒人運動とアフリカ――ブラック・ディアスポラが父祖の地に向けてきたまなざし』慶應義塾大学出版会、2019年
- 吉川元・矢澤達宏編『世界の中のアフリカ――国家建設の歩みと国際社会――』上智大学出版、2013年
- 矢澤達宏「黒人たちが織りなすもう一つのアトランティック・ヒストリー」上智大学アメリカ・カナダ研究所、イベロアメリカ研究所、ヨーロッパ研究所編『グローバル・ヒストリーズ――「ナショナル」を越えて』上智大学出版、2018年
- 矢澤達宏「黒い南太平洋―西洋近代の陰画を超えて―」、「植民地の幻影―モザンビークが背負う国民形成の宿命―」、「カポエイラ―既製の枠におさまりきらないアフロ・ブラジル文化―」、「ブラジルの多人種社会―「人種民主主義の国」はいま―」上智大学外国語学部ポルトガル語学科編『ポルトガル語圏世界への50のとびら』上智大学出版、2016年
- 矢澤達宏「20世紀前半のブラジル黒人運動の言説にみる人種とネイション――サンパウロ州の黒人新聞の分析から」『ラテンアメリカ研究年報』第37号、2017年7月、53〜81頁
- researchmapへ:
- https://researchmap.jp/tatsu_yzw
|
|