研究会・出張報告(2007年度)

   研究会

日時:2007年12月14日(金)17:00-19:00
場所:上智大学2-510号室
講演:Khalil Karam(ハリール・カラム)(サン・ジョゼフ大学、レバノン)
  “2007: Lebanon at a Crossroad”(「2007年―岐路に立つレバノン」)

概要:
 ハリール・カラム教授は、レバノン政治の現状を理解するために、その歴史的、文化的、社会的理解が必要である、と述べ、スライドを交えつつこれを説明した。その後で現代レバノンの政治、社会状況の問題は、国内的というよりも、国外の政治力学に左右される方が大きく、このような不安定な政治状況にもかかわらず内部の「レバノンなるもの」は簡単には崩れないだろう、と力説された。彼はそれを裏付けるために、マロン派もアラブ・イスラーム文化を尊重しているし、イスラーム教徒もフェニキア以来のレバノン文化を誇りに思っていると述べた。結論として「レバノン意識」の強さの上に、モザイク構造は柔構造であり、レバノンの特殊性を説目した。
 (私市正年)