研究会・出張報告(2006年度)
出張報告- アルジェリアにおけるイスラーム主義運動組織の調査
期間:2007年3月10日~3月20日(11日間)
国名:アルジェリア
出張者:私市正年(上智大学外国語学部教授)
概要:
本出張は、上智拠点第1グループ「イスラーム主義と社会運動・民衆運動」の活動目的に沿って実施されたものである。アルジェリアでは、アルジェとガルダイヤにおいて、1990年代のイスラーム主義運動高揚期における、活動の実態、とくに運動に関わった者からのインタビュー取材を行った。その結果、地域よっては(とくにイバード派のガルダイヤ)では必ずしもFISが草の根まで浸透していなかったことが判明した。また、アルジェでは研究分担者のZoubir Arous氏とともに、アラウィー教団のシャイフと面会し、 「イスラーム主義運動とスーフィズム」の関係について意見交換を行った。その結果、両者の関係が表にでない部分で深い関係があることがわかったが、なおより実証的研究が必要であることも判明した。
なお、その他の活動としてはCREAD訪問、グリシン・カトリックセンター訪問などを実施した。
成果としては、第一に、アルジェリアのイスラーム主義運動の原点にあたる、アルジェリア・ウラマー協会の資料入手、および元生徒からのインタビュー取材ができたことは、大きな成果であった。第二に、CREAD所長との間で相互理解を得たことで、第1グループの活動を推進する上で必要な人脈、組織的協力関係を強めることができた。(私市正年)