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国際シンポジウム
アラブ諸国それぞれの「春」― 民衆運動と政治変動が問いかける課題 ―
日本国際問題研究所主催
NIHUプログラム・イスラーム地域研究共催
日本国際協力財団後援
1,趣旨
周知のとおり、2011年1月以来、中東アラブ諸国において、
大きな政治変動が起こっている。チェニジアとエジプトでは、大規模な民衆デモ
が、長期間にわたって独裁的な統治を続けてきたベン・アリー大統領とムバーラ
ク大統領を退陣に追い込み、リビアにおいては、民衆蜂起によってカッザーフィー
の独裁体制が打倒された。その一方で、シリアにおいては、アサド政権と反政権
勢力の抗争が続き、多くの犠牲者を出している。同様に、イエメンにおいても衝
突が繰り返され、混乱が収拾される見通しは立っていない。こうした一連の出来
事は、権威主義体制を民衆運動によって打倒する民主化の潮流、いわゆる「アラ
ブの春」として高く評価される一方で、民族・宗派対立など、様々な不安定要因
を抱える中東地域をさらに不安定化させるのではないかとの懸念も引き起こして
いる。
このシンポジウムでは、中東アラブ諸国における民衆運動と政治変動を
どのように理解するべきか検討する。上述の民衆運動や大規模デモにおいては、
衛星メディアやインターネットとともに、20代、30代の若年層が重要な役割を果
たしている。本シンポジウムにおいては、アラブ各国の政治や社会を多年にわたっ
て研究してきた指導的研究者とあわせて、研究を通して国の内外から民主化運動
に関わってきたアラブ諸国出自の中堅・若手研究者、さらには、民主化運動の活
動家やジャーナリストらを招き、様々な立場らかアラブ諸国の現実を見てきた当
該諸国出自の参加者と日本の中東研究者との広範な議論を通して、「アラブの春」
の1年の推移を整理し、その背景と今後の展望を検証していく。
2,プログラム
・日時 2012年1月29日(日曜日)
・会場 上智大学四ツ谷キャンパス中央図書館9階、911講堂
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/accessguide/access_yotsuya
http://www.sophia.ac.jp/jpn/info/access/map/map_yotsuya
・使用言語 日本語・英語(同時通訳有り)
9:45 - 10:00
開会の辞 野上義二(日本国際問題研究所)
10:00 - 12:15
第1セッション「二つの革命:チュニジアとエジプトにおける成果と課題」
・司会 私市正年(上智大学)
・講演者
チュニジア情勢:ムハンマド-サラーフ・ウムリー(オックスフォード大学)
エジプト情勢:ナビール・アブドゥルファッターフ(アフラーム政治戦略研究センター)
・討論者 岩崎えり奈(共立女子大学)
ウマル・ブーイスィー(チュニジア民主化運動活動家)、長沢栄治(東京大学)
保坂修司(日本エネルギー経済研究所中東研究センター)
ムティーミト・ナーズィム(カルタゴ大学)
12:15 - 13:00 昼食休憩
13:00 - 15:00
第2セッション「民主化か混乱か:シリアとイエメン」
・司会 松本弘(大東文化大学)
・講演者
シリア情勢:ウバイダ・ファーリス
(発展と市民社会のためのアラブ協会会長/シリア民主化運動活動家)
イエメン情勢:ムハンマド・アル=アスアディー
(フリーランス・ジャーナリスト/イエメン民主化運動活動家)
・討論者 今井宏平(中央大学大学院)、川嶋淳司(放送大学)
森山央朗(日本国際問題研究所)
15:00 - 15:15 休憩
15:15 - 17:15
第3セッション「「春」の周辺:アメリカ、パレスチナ、イスラエル、湾岸諸国、イランの関与と影響」
・司会 立山良司(防衛大学校)
・講演者
中東から見たアメリカの対中東政策:ワリード・ハズブーン
(ベイルート・アメリカン大学)
パレスチナ-イスラエル情勢への影響:カリーム・マクディスィー
(ベイルート・アメリカン大学)
・討論者 池田明史(東洋英和女学院大学)、江崎智絵(中東調査会)、
坂梨祥(日本エネルギー経済研究所中東研究センター)
堀拔功二(日本エネルギー経済研究所中東研究センター)
17:15 - 17:30 閉会の辞 私市正年(上智大学)
3,参加申し込み
会場準備のため、ご参加を希望される方は、
主催者・日本国際問題研究所の担当研究員、
森山央朗(t_moriyama@jiia.or.jp)まで、
メールにてお名前とご所属をお知らせ下さい。
お手数ですが、2012年1月27日(金曜日)までにご連絡頂けますよう、
お願い申しあげます。
なお、参加費は無料です。