2011年度第1回研究会報告(2011年7月23日/上智大学)1/5
趣旨説明:粕谷元氏(日本大学准教授)
上智大学拠点文科省事業公募研究「イスラーム社会の世俗化と世俗主義」代表の粕谷元氏から、4年目を迎えた同研究の進捗状況及び、本日のワークショップの位置づけが述べられた。「世俗化と世俗主義」研究では、世界各地のイスラーム化やイスラーム主義の動向を、世俗化や世俗主義との関連で論じ、国別/地域間比較や類型化を試みることを目的としてスタートした。研究を進めるにつれ、世俗化や世俗主義の定義が研究者間で多様であることが顕在化したため、現在では、トルコのラーイクリキ研究、また政教関係を論じる中での国別/地域間比較及び類型化を試みていることが述べられた。本ワークショップは、2年前に京都大学で実施された第1回共催ワークショップに続く、第2回目という位置づけである。「中道派」とは、トレンドなのか、思考なのか、理論なのか、19世紀後半から20世紀初頭にかけ、伝統派と欧化主義者の間のことを指した「中道派」が、現在では、何と何の間の概念なのか、各国の事例を通じて議論を展開したい、と問題提起がなされた。