根木 昭英NEGI, Akihide

  • 職位准教授
  • 専門研究分野  サルトルを中心とした20世紀文学・思想

授業について

フランス語の授業にくわえ、19世紀以降の文学史講義、また、ジャン=ポール・サルトルやアルベール・カミュ、シモーヌ・ドゥ・ボーヴォワール、ロラン・バルトといった20世紀のフランス作家の批評や小説を扱う講読の授業を担当しています。文学史の教科書的な知識を身に付けてもらうことも大切にしていますが、それだけでなく、それぞれの作家が時代や地域を超えてわれわれに問いかけてくるものに直接触れられるような授業にすることが理想です。

最近研究していること

サルトルを中心に、文学が倫理や政治といった他の領域と持ちうる関係に関心を持って研究を行ってきました。文学という営為は、一方では現実世界から遠ざかってゆく活動であるようでいて、ときには現実の行為よりも強くひとを世界のあり方に直面させもするという不思議な性格を持っています。文学のもつこうした複雑な位相について、サルトルだけでなく、同様の関心を共有していたアンドレ・マルローら他作家も視野に入れつつ、理論と作品の両面から研究を継続していきたいと思っています。

私のこの一枚

パリ、ノートルダム大聖堂のすぐ近くにひっそりと佇むサン=セヴラン教会とそのステンドグラスです。6世紀ころまで遡るというこの教会の基調は伝統的なゴシック様式ですが、森林を思わせる柱のそびえる教会内には、20世紀の美術家ジャン・バゼンヌによる素晴らしいステンドグラスの世界が広がっています。パリには他にも、シャガールによるオペラ・ガルニエの天井画、ルーヴル宮殿とガラスのピラミッド、マレ地区の旧市街に出現するポンピドゥー・センターなど、歴史と現代性とが溶け合って独特な魅力を作り上げている場所がたくさんあります。