研究領域とその特色
国際関係論専攻は、グローバル化が進展する今日、グローバル社会、グローバル政治、そしてグローバル経済の諸問題の研究をとおして、今日の国際社会が直面する諸問題の解決に積極的に貢献できる研究を行います。本専攻の研究領域は、主に国際関係論、国際政治学、国際政治史などを中心とする国際政治論と、開発経済学、国際政治経済論、グローバル社会学、比較社会学、国際協力論などを中心とする市民社会・国際協力論に分かれます。その具体的な研究領域・研究トピックと特色は以下のようです。
学際的・多面的研究
国際関係論研究は、学際的な研究手法で成り立つ研究分野です。国際統合、トランスナショナル関係、グローバル化、国際安全保障、戦争と平和、開発と貧困、国際環境保全といったテーマは、国際政治学、国際経済学、国際法、国際社会学といったさまざまな研究手法を駆使してはじめて取り組みが可能になります。一方、民主化、市民社会、民族紛争、ジェノサイド、ジェンダー、移民と難民、人権、外交政策といったテーマは、政治学、法学、社会学、経済学、それに歴史学といったさまざまな手法からの分析が求められます。英知を集め、世界の平和および世界の人々の自由と安全の実現を探究します。
国際・国内の比較
ひとつの国家・社会に住む人びとを観察すると、政治社会制度などで共通点が見える一方、異なった文化や習慣も発見できます。国家または世界の各地を比べてみても、同質性や異質性が見えます。こうした同質性や異質性を発見し、その淵源や意味を問う方法として比較研究方法があります。比較を通して、複数国家における政治体制、民主化・紛争と人口移動、経済発展と開発、言語と文化、また特定の国家の歴史、外交、政治、文化、経済現象などを探究します。
地域・グローバル化
世界を理解する方法として、国家を越えた世界の各地域ないしは地球全体をひとつのユニットと捉え考察する方法があります。平和構築、安全保障、地球環境問題、地域紛争と世界大戦、 越境移民、国際貿易と富の不均等配分、文化の衝突、地球市民社会と国家など、世界がグローバル化する過程でいっそう複雑になる現象を探求理解し、問題解決への道筋を提示します。