内定先を選んだ理由：
一言で表すとすれば、「この会社でなら自分の夢を叶えることができる」と確信したからです。私の内定先は「We have many dreams」という言葉を掲げており、先輩社員の方々と実際にお話した中で、ひとりひとりが夢を持ちながら、それを皆で叶えるために力を合わせて仕事をしていることがわかりました。そのため、この会社はただスローガンとして「夢」という言葉を掲げているのではなく、社員ひとりひとりの夢を尊重しており、それによって社員全員が生き生きと働ける環境を整えているのだと考え、入社を決めました。

なお、内定先は健康や美容、衛生といった幅広い分野の製品を取り扱うメーカーなのですが、私自身は元々、化粧品メーカーを目指して就職活動を行っていました。これは、私自身に自己肯定感が低かったという過去があることや、周囲にも自己肯定感が上がらないという悩みを持っている友人がいたことが影響しており、この問題を解決するためには化粧品の力が必要であると考えたためでした。そして、化粧品や美容機器を取り扱っている内定先の方が私の考えに共感してくださったことで、内定をいただくことができました。この経験から、特にメーカーを志望する方は、自分の夢を持ち、それを相手に明確に伝え、さらになぜその夢をその企業で叶えたいのかを話せるようにしておくことが重要であると感じました。

FGSで何を学んだか：
FGSでは、メジャー・マイナーに選択した分野に限らず、非常に幅広い分野について学ぶことができました。１・２年次の頃から「ジェンダー」や「市民社会」といったワードに強い興味を持っていたのですが、それらのワードを中心に、アジアから中東、アフリカ、ヨーロッパなど世界各地で起こっている問題について知識を得ることができました。そして、それらの問題を解決に導くためには何が必要で、自分には何ができるのかを考えたり、それらの中から自分が最も関心があることは何なのかを考え、３・４年次のゼミを選択したりということを通して、「自分で考え、自分で行動する」ことの大切さを学び、「自分で考え、自分で行動する」力を身につけることでできたと思います。

そして、３・４年次では自分で選択したメジャー・マイナー領域に関する知識を深めると同時に、ただ授業を聞くだけではなく、自分で論文や統計を探し、研究を進めていきました。私は、「南アフリカ共和国におけるレズビアンの市民運動と同性愛嫌悪」というテーマで卒業論文を執筆しました。この際には、英語の文献しか見つからなかったり、出来事の良い面と悪い面の両方について検討しなくてはならなかったり、同性愛者と同性愛嫌悪の考えを持つ人々の両方の視点を持つ必要があったりという壁にぶつかりました。また、明確な答えがない問題について検討することの難しさにも直面することとなりました。しかし、これらの経験から、ひとつの側面から物事を見ることの危険性や、答えがない問題について議論をし続ける必要があることを学ぶことができました。

このように、FGSでは、グローバリゼーションによって起こった変化や問題について学んだだけではなく、それらについてどう考え、どう行動するべきなのかを学ぶことができました。これは、日本国内の問題について見る際にも役立つものなので、海外に出る予定がない方が学んでも必ずどこかで活きていくものだと思います。

FGSを目指す皆さんに伝えたいこと：
FGSという名前を見聞きしてなんとなく興味が湧いた、なんとなく面白そうだと思った方、あるいは何か特定の国や問題に関心を持っている方など、様々な方がいらっしゃると思います。そんな皆さんに、私はこの学部の卒業生として、この学部に入って損することは絶対にないということをお伝えしたいです。

この学部には多様なバックグラウンドを持つ人々が集まっており、授業だけでなく、普段の会話からも自分の知らない世界や考え方を知ることができます。そのため、毎日が発見の連続で、楽しく有意義な日々を過ごすことが可能です。そして、授業では、メディアで頻繁に取り上げられるようなグローバルな問題から特定の国や地域で起こっているローカルな問題まで、自分の関心に合わせて学べます。この「自分の関心に合わせて」というのがFGSの最大の特徴であり、そのゴールとして卒業論文を執筆することで、自分だけの学びを完成させることができます。なお、この「自分の関心」は入学後に定まる人が多いように見受けられたので、現時点では「なんとなく世界のことに興味がある」くらいの方でも全く問題ないので、焦らずに関心を深めていっていただければと思います。

最後に、このように、自分の学びたいことが学べることが特徴であるFGSで、充実した４年間を過ごすことができて、私は本当によかったと思っています。大切なのは「学びたい気持ち」や「世界で起こっている問題に対する関心」だと思うので、それらがある方はぜひFGSに来ていただきたいと思います！