進路

「やってみたい」を追求した 4 年間

進路区分 就職(企業)
進路先 日本経済新聞社
氏名 野呂 清夏
メジャー 国際関係論 マイナー アフリカ研究
入学 2019年4月 卒業 2023年3月

内定先を選んだ理由:
記者を目指した理由は 2 つあります。
1 つは、声を出せずに苦しんでいる人々の声にも耳を傾けることができる大人になりたかったからです。FGS での学びを通し、世界がグローバルに繋がり合う中で、アフリカの鉱山における児童労働や東南アジアにおけるマングローブ破壊など遠い国のことのように思える問題でも、実際は日々の消費活動を通して自分も問題に加担してしまっている事実を知りました。こうした光と影で言えば社会の「影」に当たる部分を見て見ぬふりすることは可能で、きっとその方が楽であるとも思います。それでも、世の中の目を覆いたくなる事実にも意識的に向き合える人間でいたいと思ったこと、知った事実を多くの人々に伝えたいと思ったことが、記者を目指した原点です。
もう1つは、名刺 1 枚で様々な価値観を持った人々から話を聞くことができる点に惹かれたからです。大学の長期休みを利用して海外旅行に出かける中で、私は旅先の文化や現地の人々の生き方に触れる瞬間がとても好きでした。そんな好奇心が旺盛な私にとって、毎日様々な現場に足を運び、多様な背景を持った人々から話を聞くことができる記者の仕事は魅力的でした。

学生時代を振り返って:
「自分の中の常識を疑う」力を養うことができた 4 年間でした。
入学当初、私はアフリカの貧困問題に関心があり、将来は現地で支援活動に携わりたいと考えていました。しかし、1, 2 年次に国際協力論やアフリカ研究の講義を受講する中で、支援する側の先進国がアフリカにおける貧困の要因を作っている側面もあり、必ずしも「先進国が途上国を支援する」ことだけが正解ではないと考えるようになりました。
また、1 年次に東アフリカのタンザニア共和国で現地社会に溶け込んで暮らしてみた経験も、自分の考えを見つめ直すきっかけになったように思います。お金ではなく「家畜の数」や「妻の人数」を豊かさの基準とする現地の人々との出会いは、経済発展のために支援をすることだけが彼らの幸せにつながるとは限らないという事実を教えてくれました。
このように視点を変えることで物事の見え方が 180 度変わり、その度に自分の視野がどんどん広がっていく感覚にワクワクし続けた 4 年間でした。自分の興味分野について多様な視点から学びを深めることができたのは、多様な地域や学問領域から柔軟に講義を選択できる FGS であったからこそだと思います。

FGS を目指す皆さんに伝えたいこと:
これまで主に学問についてお話ししてきましたが、FGS の魅力は「人との出会い」でもあると思います。FGS には、グローバルな視野を持ち、アクティブで知的好奇心に満ち溢れた学生が多いです。そんな友人たちと共に長期休みに海外旅行へ出かけたり、社会に対してアクションを起こしたり、お互いが学んでいる地域について語らう体験は、かけがえのないものです。また、生徒と教授陣の距離が近い点も魅力の一つであると思います。私が就職先に悩んだ際は、元新聞記者であるゼミの教授が親身になって相談に乗ってくださり、とても心強かったです。こうした刺激的な環境に身を置けることに感謝し、広い視野を持って貪欲に学ぶ意欲があれば、FGS での 4 年間はきっと豊かで実りあるものになると思います。みなさんが FGS に入学して素敵な学生生活を送れるよう、陰ながら応援しています!

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