第3回FGSワークショップでは、国際協力NGOのネットワーク「動く→動かす」の玉井隆さんより「アフリカへの眼差し:アドボカシーの現場から」と題したお話を聞いた。
まず、アフリカに対する私たちの眼差しが、貧困や紛争などネガティブな面に偏っていること、それらの問題の多くは植民地化や貿易による収奪など、いわゆる「先進国」よってもたらされたものではないのか、また、現地の人自身が感じている課題とは異なるのではないかという問題提起から始まった。
「動く→動かす」には国際協力NGO計79団体が加盟しており、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成と、その後継目標の策定に向けた政策提言とキャンペーンをおこなっている。政府や国際機関主導の目標設定は政治的思惑によって左右されがちだが、より実効性の高い目標設定のためには、日本の市民社会がアフリカなどの市民社会とともに代案を出すアドボカシーが有効である。
ネットワークの事務局を担うアフリカ日本協議会は、日本の市民がアフリカについて学ぶ場を提供し、実情を理解するための活動を行っている。多くの市民が「アフリカの問題」としてではなく、地球規模課題として開発目標を理解し、アドボカシーを支えるキャンペーンに参加することが求められている。
現在、世界125ヶ国、1300以上のNGOが参加する「action/2015」キャンペーンを実施しており、日本からも国連や日本政府に対する意見募集をしている。
アフリカというと遠い地域であると考えがちであったが、日本国内からも影響を与え得る活動に参加できることに気づいた。
(外国語学部 英語学科 金城慶)