「あるく、ウメサオタダオ展」が、5月31日~6月1日の2日間、戸田美佳子准教授の企画・協力により、本学部フロアにて開催されました。「大学は学問を教えるところではなく、学問の仕方を教えるところだといわれます。しかし実際には、学問の成果を伝えることには熱心でも、学問の方法や研究の仕方はしっかりと教えていないのではないか、と梅棹先生は『知的生産の技術』のなかで書いています。本展示をとおして、梅棹先生の知的生産を支えた七つ道具を直接見ることで、大学での学びや知的生産の営みに活かしてほしいと思います。」と、同准教授は企画のねらいを設定しました。
参加したFGS生が関心を持った展示は、スケッチ、こざね法、音楽を記録したノート、年表など、様々です。学生からのコメントの一部をご紹介します。「スケッチが細かくまるで絵画のように描かれており、自分の目でじっくり見ながら書くことは写真撮影よりも記憶に残り、これこそフィールドワークの証ではないかと思った。」、「パソコンを使用することで容易に情報整理ができるが、カードを机に並べることで複数の情報を一度に水平的に見ることが可能になる。現在私たちは手間を惜しむことで、自分で思考する機会を減少させてしまっているのではないかと考えた。」「小鳥のさえずりの音階のようなものから、ウサギのジャンプの仕方の過程をスケッチしたもの、フィールドワークの地域で使われている道具のスケッチなど、フィールドワーク上のすべてを吸収し、保存しようとする姿勢が見え、圧巻だった。」