留学・国際交流

「人生を変える留学経験」

参加学生氏名:
鎌形穂ノ加
メジャー:
アジア研究
入学年度:
2016年度
渡航年度:
2018年度秋学期
種  類:
交換留学
渡航先国 :
タイ王国
企業・受入先:
Thammasat University・Thai Studies

私は高校生の頃から国際公務員の仕事に憧れ、それに必要な自分の経験や見識を深めるための交換留学までを視野に入れて上智大学を志しました。その中でも FGS を選んだのは、自分が学びたかった国際政治の分野でグローバルに広く世界を見つめながらも、自分の興味のあるアジア地域研究というローカルな視点での学びも得られ、それらを複合的に捉えていくことは必ずや自分の将来に繋がっていくだろうと確信していたからです。

入学当初、2 年次に決定し 3 年次から本格的な学びが始まる「メジャー」に関して、国際政治を選択しようと考えていました。とは言え、父が東南アジア、特にタイでの出張や単身赴任の経験が長かった故に東南アジアにも関心があったため、それらに関連する講義から市民社会系の講義まで1~2 年次には幅広く受講していました。そんな中、講義を通して東南アジア地域の宗教に関心を強く抱くようになりました。講義外の時間も様々なジャンルの本が非常に豊富な上智大学の図書館に通い、知識を得て考えていくうちに、現地でこれを学びたいと感じたため、留学先をタイにすることを決めました。

上智大学は交換留学の提携校が非常に多く、国際政治や市民社会について学べる大学がたくさんあり、多くの選択肢から選ぶことができますが、東南アジア、特にタイの宗教について学びたいと考えた私はタイの大学を目指すことに決めました。これとほぼ同時にメジャーを国際政治でなく、アジア研究にすることを決意しました。講義を通じて、『タイ、マレーシア国境地帯における仏教徒とムスリムの宗教対立』というテーマに興味を持ち、2年間かけてこれを深め、卒業論文もこのテーマに触れたいと考えたからです。その過程でもタイでの留学経験というのが必須になってきました。

上智大学から東南アジアに留学する方法は、通常の交換留学と SAIMS というプログラムの2種類があり、それらを併願できるという点も魅力的でした。出願に必要な TOEFL に向けて日頃から受験し、また GPA を高く保つために大学の講義にも力を入れる、などの点に留意して交換留学の出願時までを過ごしていました。無事にタイのタマサート大学への留学権を得た後は、現地での生活で必要になるタイ語の学習も本格的に始めましたが、上智大学の第2外国語の講義は非常に豊富なので、タイ語の大学での講義で基本的には十分でした。

タイの大学と言っても講義は全て英語で行われ、またその大学に通っている大学生も皆英語が完璧に話せるので、基本的に英語さえ話せれば問題ないです。3 年次 8 月にタイに渡航し、留学先では、タイの仏教、政治、文化(タイ語)の3つの授業を受講しました。一見少なく見えますが、タイの大学は講義が 1 日あたり午前と午後の2つしかなく、一つの講義は 3 時間、また一つ一つの講義の予習復習に取れる時間も相対的に増えたので、物足りないと感じることはありませんでした。講義がためになることはもちろんのこと、講義外のプライベートな時間にもタイの学生とお互いの国のことを話し合い、また私の研究テーマでもある宗教について教えてもらいました。半年間という短い留学生活ではありましたが、かなり濃く有意義な時間を過ごせたように思います。

留学の最後、12 月には、研究テーマである、タイ、マレーシア国境付近のタイ南部を訪れ、現地の現状を自分の目で見てくる、という大きな目標も達成できました。帰国してからも、タイで学んだことを忘れず、4年次冬には 2 年次からの目標であったタイ南部の宗教対立に関する卒業論文を書ききり、留学経験が大学4年間、そして人生を通して自分の中でかなり大きな財産になったことを改めて強く感じました。大学生活を通して、たくさんの価値観を見てきた中で、自分の将来に対する考え方ややりたいことも変化し、4 月からは入学当初描いていた未来とは違う、航空関連の会社に勤めますが、どの道を選んでも上智大学で培ってきた知識や考え方は必ずや自分のためになると信じています。

ソンクラー・セントラルモスク前

ソンクラー旧市街(中華街)

最後に、FGS を目指す皆さんには FGS では自分の求めている以上の学びが得られること、そしてそれが己の価値観や人生に大きな影響を与える、ということをお伝えしたいです。FGS に入った自分と、入っていない自分ではまったく違う生き方が待っていたように思います。大学、学部の選択は非常に重要ですが、私自身 FGS に入学したからこそできた素晴らしい経験や考え方、刺激を与え合える友人との出会いがありました。これは例外なく皆さんにも起こることだと確信しています。是非 FGS に入学して、かけがえのない4年間を送って頂きたいです!

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