「交換留学体験記」
私は、高校の頃から留学したいという夢があったため豊富な留学制度と提携校を持つ上智大学に進学しました。私が進学した総合グローバル学部では、英語のみで行われる授業やディベートの講義があるため、1.2 年次には英語の学習のためにもそのような講義をいくつか選択しました。しかし、講義を通して、自身の英語力は難易度の高い意見を理解したり、交換し合える程ではないことにショックを受けました。そこで、交換留学を通じて英語漬けの環境に自らを置き、専門的で難易度の高い英語を使った授業に参加することで、上智大学での学びを充実させたいと考えたことが留学を本気で目指すようになったきっかけです。
留学準備の中で大変だったことは、2つあります。まずは、交換留学の選考に向けた勉強です。1.2年生合計の GPA の数値が必要になることと、提携校先によって異なる TOEFL や IELTS の点数の基準をクリアしなければなりません。TOEFL や IELTS は、私が中高生の時に受験してきた他の英語のテストの形式とは異なる特殊な形式を持つため傾向を理解して対策を練る必要がありました。TOEFL の基準点をクリアするのに数回受験しましたが、テストによって点数に大幅なバラつきが見られたため、第一志望の大学への切符を掴むためには交換留学願書提出の締め切り直前ではなく、早めからの勉強と受験をおすすめします。
2 つ目に、交換留学先の情報収集と、留学先への書類提出です。大学についてや、履修したい授業だけではなく、留学中の滞在先や、課外活動などに関する情報を自ら収集し、提出します。充実した留学生活にするためにもしっかり下調べすることをおすすめします。私は、あえて日本人の少ない寮で生活することで外国の友達をたくさん作ることを優先したかったため、寮の下調べを特に入念に行いました。
その結果、日本人が私一人という環境の中で、パーティーやスポーツイベントなどが頻繁に行われる寮で生活することができ、様々な国籍の学生と親しくなれたため、情報収集に力を入れてよかったと感じています。結局、コロナウィルス蔓延により、短期間しか滞在できず留学生活が予定の 1/3 ほどで終了してしまいましたが、その短期間でも十分にいろいろな活動に参加でき、交友関係も深めることができたと思っています。積極的に挑戦をすることが大事だと思います。
日本人は、海外の学生と比べて英語で話す機会が圧倒的に少ないことや、性格的に遠慮してしまう部分があるため、どうしても英語を主要言語とする学生の輪の中に入っていくことが難しいかもしれません。私も、周りとの英語力に差がありすぎて、数人で会話をしていても発言するタイミングや笑うタイミングなどが分からず、渡航してから 1 週間は気後れの連続でした。しかし、交換留学のために学習してきた資格試験や、今までの大学での学習を思い出して、相手に少しづつ意思を伝えながら、自分の人間性をアピールすること、何か気になるイベントや誘われる遊びがあれば積極的に参加してみることで、英語を使ってコミュケーションすることの楽しさを実感することができました。留学から初日で頑張ることを諦めず、とりあえず何かしらの挑戦をすることが大事だと思います。
授業は、1 つの単位でも大教室で先生が生徒に一方通行の形式で講義を行う授業と、その講義で学んだことを先生と生徒でディスカッションする授業の 2 つの授業が必ず 1 セットになっていました。後者の講義では、生徒たちが 1 時間みっちりと意見交換による討論を行っており、はじめのうちは、圧倒されて全く発言できなかったことに、自分の積極性のなさと、英語力の拙さを痛感しました。
帰国してから→留学先の寮や学校の環境の馴染むことができた矢先に強制的に帰国となってしまい、夢に向かって勉強に励み手にしたものを失うことと、留学先の友人や学校を離れることは私にとってとてもショックなことでした。しかし、英語でコミュニケーションが取れたこと、慣れない環境でも1人で生活し交友関係を広げることができたことは自信となり、また、積極性を意識して講義や就職に臨むことを心に決める良いきっかけとなりました。4年次の、専門論文の執筆の際には、英語で書かれた海外の文献を参考に執筆することができ、留学準備中の学習が確実に役立っていることを実感しました。
FGS を目指す皆さんに伝えたいこと
上智大学には、豊富な留学制度と幅広い国の留学提携校があります。
私は、英語力を向上させたかったため、英語圏への留学のみを志望していましたが、その他の地域への留学に挑戦できる環境が整っていると思います。FGS には、国際関係論や政治論だけではなく、アジアや中東、アフリカ地域など、自分の好きな地域や国についてグローバルとローカルの両方の視点から学ぶことができます。英語圏以外の地域へ留学し、講義のみでは経験できないフィールドワークを経験することで学びを深めたり、英語圏へ留学して、日本ではなく欧米から見た自分の専門地域を学習することで、新しい視点で自分の専門地域を見ることができるようになると思います。
FGS の周りの友人は、常にグローバルな視点で問題意識を持ち、留学を通して国際ボランティアや国際交流活動に取り組む人が多く、FGS での学習をそこで終わらせず自身の興味につなげている人がたくさんいます。私も実際に 2 年次の夏休みに、カンボジアの小学校建設のボランティアに参加してフィールドワークを行いました。
1 年生の頃から留学に参加するための必要条件を調べ、成績維持や英語資格試験に挑戦することは大変だと思います。上でも示したように、私も TOEFL と IELTS の点数を揃えるのにかなり苦戦したり、コロナウィルスで早期帰国になってしまったりと大変でしたが、本当に挑戦してよかったと思える素敵な経験ができました。コロナウィルスの蔓延がおさまらず、いつ以前のように当たり前に国を行き来できるようになるかわかりませんが、入学してから 4 年間あるので信じて頑張ってください!応援しています。