「挑戦の日々」
私は 3 年の秋学期から 1 年間スペインの Universidad de Jaen で交換留学をしていました。私の地元には米軍基地があり幼いころから外国人と接することがしばしばありました。そのため外国への興味は強く、将来は海外事業に従事したいと考えていました。この目標のためには語学力はもちろん外国人との関係を築く能力が必要であり、留学で多くの人々と接することで各国の文化を学び外国人との関係構築する能力を身につけたいと考えました。また移民とテロリズムの関係に興味があり、移民がどのように捉えられているのか自分の目で確かめたいと思いました。そのため交換留学をすることにしました。 留学先を選ぶにあたり、私は移民とテロリズムについて研究したかったためヨーロッパの大学を検討していました。志望校を絞り面接等を経てこの大学に交換留学することになりました。
留学先の町はオリーブの生産で有名な地域で自然にあふれていました。授業は主に英語で行われるものを履修しました。英語で開講される授業には不安がありましたが、スペイン人の気質なのか教授がフレンドリーであったため授業中にわからないことを気兼ねなく質問することができました。また日本の大学の講義と異なり Theory と Practice の 2 種類のクラスがあり、後者は主にペアワーク、グループワークまたディスカッションを通じて学ぶ学生参加型の授業でした。Practice のクラスでは学生が遠慮することなく発言できる環境が整っておりました。また他国からの留学生はディスカッションで自分の考えが正しいかどうかに関わらず思ったことを発言することが多く見受けられました。文化の違いなのか性格の問題かは定かではありませんが、私にとっては刺激的でした。
それ以降は考え込んで終わりではなく、意見を発言するようになりました。英語で開講される授業のほかにスペイン語を学ぶ授業も履修しました。日本にいる間に少しスペイン語を学習しましたが実際に話すことはなく不安であったため初級クラスからスタートしました。しかしすでに知っている内容が多く、やや退屈でした。後期には中級クラスへと上がったことで新たなことを学ぶことができ、非常に楽しい授業でした。皆さんも言語の授業を履修する機会がありましたら、自分のレベルよりやや上のクラスを履修することをお勧めします。
学外では英語を話せる人が少なく、買い物をするにしてもスペイン語を話さなければなりませんでした。学んだことをすぐに試すことができるので練習の場として活用していました。英語圏外へ留学すると英語ともう一つ別の言語に触れることができ、良い特徴ではないかと考えます。
授業外では留学生が集まるパーティーなどが開催され、多くの留学生と関わることができました。特にインターナショナル・ディナーというイベントでは各国の食文化を体験し、また日本食文化を留学生たちに教えることができ、人々と食文化の交流の場としてとても印象に残っています。またバーに行くと地元の人々が話しかけてくれ、町のことや地域の文化など多くのことを学ぶことができました。さらにアンダルシア州はスペイン国内で失業率が最も高いこと、アフリカ大陸から近いことから移民に反対する動きが強まっていることで有名でした。
地元の学生や労働者と話すことで自分の研究に関する知識を得ることができました。週末や長期休暇の際には、スペイン国内やヨーロッパ諸国へ旅行することができ、スペインと他のヨーロッパ諸国の違いや私が滞在していたアンダルシア州とその他の地域の差など実際に訪れることで体験することができました。
交換留学が終わると海外事業に携わりたいという想いはより強くなり、それを軸に就職活動を行いました。日系企業からグローバル採用枠で内定を頂き、将来は海外事業部門で働けることになりました。
FGS では国際的な事象について幅広く学ぶことができます。私は、入学当時は国際的なことに興味があっただけで、学びたいことがぼんやりとしていました。しかし授業や問題意識をもって行動しているFGS の同期と話すことで、自分の中で興味関心が確立されていきました。そして学問における興味と将来の目標へアプローチする手段として私は留学することにしました。FGS を目指している皆さんの中にも留学に興味がある方がいらっしゃると思います。なんとなく留学してしまうと何も学ばずにあっという間に留学生活が終わってしまいます。どんな些細な事でもよいので目標や問題意識を持ち続けることで、実りのある留学生活を送ることができると思います。
大学生活はこれまで以上に自由で縛りが少ないです。その分自らの責任も大きくなります。大学生活を遊んで過ごすこともできますし、自分の興味のあることに費やして自分自身を磨くこともできます。自分自身に対するリーダーシップを発揮して充実した大学生活を送ってください。