2020年12月19日オンライン講演会「上智大学と1964年東京オリンピック」

公開日:

上智大学と1964年東京オリンピックのタイトル画像

学生団体Go Beyondによる「オリパラウィークス」の開催期間中の12月19日に上智大学ソフィア会と共催のオンライン講演会が開催されました。
テーマは「1964年東京オリンピックの時、上智大学はどのように大会に関わったのか?」として『大学とオリンピック』(中央公論新社)の著者の小林哲夫氏と当時、学生通訳として活躍したOGに登壇を頂きました。

司会の師岡文男名誉教授
司会の師岡文男名誉教授

冒頭に司会の師岡文男名誉教授から、開会の挨拶と上智大学とオリンッピクとの関りについて話があった後に、講演者である小林哲夫氏が紹介されました。 小林氏は教育ジャーナリストで、『大学ランキング』(朝日新聞出版)の編集に携わるほか、オリンピックと大学の関りについても長年調査をされており、『大学とオリンピック』を昨年出版された方です。

小林氏は講演でまずオリンピックと学生スポーツについてお話されました。
1952年のヘルシンキまではオリンピック選手の中心も大学生であり、その種目の大学選手権の優勝チームが日本代表として出場するという事も多かったと述べ、そのため1960年代頃までは大学とオリンピックの関係性は非常に強かった指摘されました。

講演者:教育ジャーナリスト小林哲夫氏
講演者:教育ジャーナリスト小林哲夫氏

このような中で開催された64年東京大会では通訳から警備員、選手村の食堂スタッフ(大学のホテル研究会や観光研究会)に、羽田から選手村までの運転手(都内大学の自動車部)までも大学生が担っていたことをお話されました。
また当時、体育系学部のあった東京教育大学や日本体育大学、順天堂大学の学生は、会場スタッフとして関わりながら海外選手の練習相手などもつとめていたことのことでした。

女子学生向け入れを報じる上智大学新聞
女子学生向け入れを報じる上智大学新聞

続いて小林氏から上智大学も大きく関わった学生通訳についての話がありました。当時運営委員会から各大学へ依頼(通知)があり、学内選考を経て都内20校から400人規模の学生が学生通訳になったそうです。言語は英語とフランス語。
日当も2000円程度出ていたそうで、今の物価水準で考えれば、1日2万円以上の高待遇でした。このため10日程度の研修期間も含めて、学生には今の水準で合計50万円程度は支給されていた換算になります。

語学の研修についてはLL教室があり、当時からネイティブスピーカーの教員が多くいた上智大学が利用されていたそうです。このことが、のちの上智大学のブランド力向上に大きく寄与したのではないかと小林氏は推察されていました。

これらを踏まえて、小林氏からは今回の東京大会について運営側がもう少し学生をリスペクトして、待遇面なども考慮すべきではないか、そしてもっと大学と協調して開催した方が良いのではないかと提案をされました。

つづいて本学フランス語学科OGの庄司和子氏が登場。庄司氏は写真を画面で共有しながら当時の様子を振り返りました。 

庄司和子氏(フランス語学科OG)
庄司和子氏(フランス語学科OG)

フランス語の通訳としてフェンシング競技を担当した庄司さんは、1年前から研修を受け、フランス大使館施設で文化を学ぶほか、オリンピックの理念やフェンシングのルールまで教わったことを話されました。また、上智大学内での語学研修ではLL教室でベルギー国王ボードワン一世とフランス語で会話したエピソードなども披露されました。

日当については思い出せないが、青色の制服からハンドバックまで支給されており、その格好で競技会場まで行くことが誇らしかったとお話されました。
また、大会中に親しくなったフランス人選手とはその後文通を続け、フランスへ旅行した際に自宅まで訪問するほどに仲良くなったそうです。

1964年東京オリンピック国際会議場
1964年東京オリンピック国際会議場 後方に学生通訳のメンバーが控えている。
ベルギー国王ボードワン一世 1964年2月22日 上智大学のLL教室にて
上智大学のLL教室を視察するベルギー国王ボードワン一世

学生通訳の制服を着た庄司氏
学生通訳の制服を着た庄司氏
フェンシングフランス代表のジャック・ギッテ氏と庄司氏
フェンシングフランス代表のジャック・ギッテ氏と庄司氏

また、庄司氏以外にも学生通訳を経験した2人のOGも紹介され、それぞれ当時の事についてコメントをされました。
最後に質疑応答の時間が設けられ、OBや現役の学生から小林氏に質問があり、64年大会の振り返りと2020東京大会への期待を語る内容で、講演会は終了しました。

※なお、1964東京大会と上智大学との関りについては、現在当プロジェクトでも独自に調査を進めており、後日調査結果をこちらのホームページでも公表をする予定です。


【タイトル】オンライン講演会 「上智大学と1964年東京オリンピック」
【日 時】12月19日(土)18:00~19:30
【共 催】上智大学・上智大学ソフィア会
【会 場】Zoom使用によるオンライン方式
【対 象】上智大学 学生・卒業生・教職員(事前申込制)
【参加費】無料
【登壇者】
講 師:教育ジャーナリスト 小林哲夫氏
(『大学とオリンピック』中央公論新社 著者/『大学ランキング』朝日新聞出版 編集長)
ゲスト:1964東京オリンピック仏語学生通訳 庄司和子氏(65外仏卒)
司 会:師岡文男(上智大学名誉教授、「オリパラ概論」コーディネーター、76文史卒)