2022年3月5日インクルーシブ社会を目指すための教育推進プログラム

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プログラム開設の背景

ソフィアオリンピック・パラリンピック・プロジェクト(SOPP)発足時に、プロジェクトの取り組みのひとつとして、「共生社会教育環境整備」が掲げられ、その中で、以下の3つが具体的に示されました。

 【共生社会教育環境整備】

①全学共通科目の開設-オリンピック・パラリンピックを機とする新たな基幹科目の立ち上げ
②オリンピック・パラリンピックを機として、共生社会を展望する教養科目群のマッピングと体系化
③オリンピック・パラリンピックの支援講座および社会人向けプログラムの立ち上げ

この②を実現するために、新しい教育プログラムを開設しようということがSOPPで決定され、学内のカリキュラム関連の会議体での承認を経て、実現の運びとなりました。

プログラム開設準備

2018年度の開設を目指し、SOPP教職員メンバーで2017年夏から準備を開始。
プログラムの名称は、「インクルーシブ社会を目指すための教育推進プログラム」としました。サブタイトルに「〜オリンピック・パラリンピック東京2021大会を契機として〜(注1)」を加え、オリンピック・パラリンピックをゴールとするのではなく、レガシーとしてその先の共生社会の構築に向けた人材育成を到達目標にするということを明確に示しています。

プログラムの構成は、既存の学内のプログラム(理工学部共通「系統的科学技術英語教育」など)を参考に検討しました。そして、次のような概要と修了要件としました。

 【プログラムの概要および修了要件(注2)

全学共通科目、学科科目から指定された科目を履修し、所定の単位を修得すれば、プログラムの履修証明を取得することができる。事前の申し込みは不要であり、選抜も行わない。
(1)プログラムに必要な科目・単位数は、5科目以上(10単位以上)とする。
(2)これら科目の履修・単位修得に加えて、修了レポートを課す。
(3)科目・単位数の内訳は、①導入科目(選択必修)から1科目以上(2単位以上)、②応用科目(選択)から4科目以上(8単位以上)、とする。
(4)導入科目および応用科目は、「インクルーシブ社会を目指すための教育推進プログラム〜オリンピック・パラリンピック東京2021大会を契機として〜」科目一覧を参照のこと。

プログラムは、「導入科目(選択必修)」と「応用科目(選択)」で構成しています。
導入科目として、全学共通科目に開講されている、「オリンピック・パラリンピック概論」「共生する社会と身体・スポーツ」「共生社会創成論」を選定しました。
応用科目は、まずSOPP教職員メンバーにより、既存の全学共通科目と学科科目から共生社会に関連の深い科目を選び出し、「知る・理解する」「生きる」の2つのカテゴリーに分類しました。それを学部・学科などの科目開講元にプログラムへの提供を依頼。全学的な協力を得て、70科目を超える応用科目を揃えることができたのです。

2021年度のプログラム(2021年度履修要覧)はこちら(PDF)

プログラム開設の意味

開設準備の過程で、共生社会の理解や実現のためのヒントやきっかけとなる科目が、既に学内にはたくさんあることがわかりました。 そして、このプログラムが開設されたことにより、これまでバラバラに開講されていた科目が「共生社会」というキーワードでまとめられ、マッピングと体系化が進んだことに意味があったと考えています。

プログラムの現状と課題

修了要件を満たし申請した学生には「修了認定証」を発行していますが、残念ながら、これまで申請する学生が少ないのが現状です。3つの導入科目にはいずれもほぼ受講定員を満たす100人前後の受講者がいることを考えると、共生社会というキーワードに関心がある学生は少なくないと思います。
一方で、このプログラムの趣旨である「共生社会の構築に向けた人材育成を到達目標とした、共生社会について学ぶ考えるための科目マッピング・体系化」という点がまだまだ定着していないのかもしれません。周知に力がおよばなかったことが現状の反省点です。

さいごに

上智大学では、2022年度から新しい全学共通教育をスタートします。
新しい上智大学の学びでは、全学共通科目は専門科目を学ぶ前の基礎教養教育ではありません。学部・学科の専門分野とともに、すべての学生が4年間を通して学ぶ科目として重要な役割を担います。(注3)
また、2022年度以降の新入生を対象に、「ユニバーサルマナー検定3級eラーニング(注4)」を導入することとなりました。初年度の対象となる2022年度新入生は、入学時オリエンテーション研修の一環として、2022年4月〜5月にかけてオンデマンド講座を受講し、検定取得となる見込みです。高齢者や障害者、性的マイノリティ、外国人など多様なバックグラウンドを持つ人々が求めている配慮の実践について体系的に学び、身につけることを目的としています。

これらの新しい取り組みとともに、この「インクルーシブ社会を目指すための教育推進プログラム」がより多くの学生に届き、求められるプログラムとなるよう、継続し進化していくことを願ってやみません。

修了証明証サンプル画像

注1 2020年度までは、「〜オリンピック・パラリンピック東京2020大会を契機として〜」としていた。
注2『2021年度履修要覧』から抜粋
注3『大学案内2022』から抜粋
注4 ユニバーサルマナー検定は、自分とは異なる立場にある人の視点に立ち、適切な行動をするために必要な心構えや行動、コミュニケーションスキルを身につける検定(株式会社ミライロが主催)。