上智大学 重点領域研究

河川流域環境研究マップ

水と食を軸として安全・安心な社会の構築に関する研究

  • 信濃川
  • 渡良瀬遊水地
  • 蕪栗沼・周辺水田
  • 円山川下流域・周辺水田
  • 手賀沼
  • 多摩川
  • 佐潟
  • 黒河
  • チャオプラヤー川

(1) 信濃川

日本 場所長野県、新潟県 長さ367km 流域面積11,900km2

解説信濃川は長野県と新潟県を貫き流れ、新潟市で日本海に注ぐ日本の一級河川である。信濃川は日本最長の河川と流域面積3番目として知られている。河川流域、特に支流に建てられた多くのダムは農業及び発電をサポートする大事な役割を果たしている。信濃川下流域では洪水・氾濫を繰り返し起こし、深刻な被害を受けやすい場所としても知られている。新潟の水害リスクを軽減するため、大河津分水路や関屋分水路などの治水施設が建設されたが、土砂供給が減ったことにより海岸は決壊され脆弱になってきた。

(2) 黒河

中国 場所甘粛省 長さ821km 流域面積14,290km2

解説黒河は中国の乾燥地域である北西部の第二位の内陸河である。黒河流域には上流の氷河、中流の丹霞地形、下流の砂漠など様々な自然景観が特徴である。中流域における農業灌漑による水資源の過度開発は、下流域内の河川や湖沼の水量減少、地下水位低下、草原劣化などの深刻な問題を引き起こし、下流域と全体流域の生態系を脅かしてる。

(3) チャオプラヤー川

タイ 場所タイ西部 長さ1,352km 流域面積178,000km2

解説チャオプラヤー川はタイ国内の最大の川である。タイの北部の四つの主要な河川(ピン川、ワン川、ヨム川、 ナーン川)から形成されバンコクを流れ、その沖積平野は国の中心部を形成する。チャオプラヤー川は数百年にわたって、飲用水、工業、農業、漁業、輸送などに利用されている。しかし、近年の都市人口の増加や産業発展に伴い、水害リスク、水質悪化、水不足などの問題が深刻化してきた。

(4) 渡良瀬遊水地

日本 場所栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県 面積33km2 貯水量200million m3

解説栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県の四県に跨る渡良瀬遊水地は日本最大の遊水地であり、1912年から洪水調節と鉱毒防止対策のため建設された。現在は洪水調節や渇水時給水の貯水池として利用されている。人間活動から隔離されたため、渡良瀬遊水地に多くの野鳥、昆虫、魚類及び希少植物が生育し、2012年7月3日にラムサール条約に登録された。しかし、土壌中の重金属汚染の状況はまだ不明である。

(5) 蕪栗沼・周辺水田

日本 場所宮城県 面積1.5km2 (蕪栗沼)

解説蕪栗沼は宮城県北部の低地性湿地である。蕪栗沼・周辺水田に約200種の鳥類が確認され、特に数多くのマガンが飛来し、2015年にラムサール条約に登録された。周囲の住宅や水田を洪水から守るため、洪水調節池として蕪栗沼と周辺の3つの水田は維持されていた。毎年日本に飛来した半数の約7万羽のマガンはこの地域を利用し越冬している。

(6) 円山川下流域・周辺水田

日本 場所兵庫県 長さ12km 面積560ha

解説円山川下流域・周辺水田は2102年にラムサール条約に登録され、1971年に日本で一度絶滅したコウノトリの野生復帰を促進した。 この地域は河川、河口域、中州、水田、人工湿地などで構成されており、コウノトリの生息地として自然再生した。 ラムサールエリアの湿地では再生と創造を特徴とし、住民、団体、企業、政府の積極的な協力を得て、コウノトリと一緒に暮らす活動が行われている。地域活動の一つのキーワードは地権であり、流域環境管理研究のヒントともなる。

(7) 手賀沼

日本 場所千葉県 面積6.5km2 平均水深0.86m

解説手賀沼は利根川水系の湖沼であり、千葉県北西部に位置している。手賀沼はもともと大きな湖であったが、最近干拓事業によって水域の約80%が消えており、北と南に分かれている。住宅地の発展と都市化に伴い、家庭排水が湖に流れ込み、深刻な水質汚濁が進んだ。手賀沼は1974年から2001年にかけて27年間連続で日本湖沼のCODワースト1であった。近年水質改善対策が図られ、湖沼水質保全特別措置法に指定されている。現在全国CODワースト2位になった。

(8) 多摩川

日本 場所山梨県、神奈川県、東京都 長さ138km 流域面積1,240km2

解説多摩川は山梨県、神奈川県、東京都を流れる日本の一級河川である。中流部特に下流部のより都市化が高い首都圏の住宅地を流れ、日本トップの流域内人口と人口密度を持つ典型的な都市河川である。多摩川に飲用水、農業、工業、レジャーなど様々に利用される長い歴史がある。都市河川ではあるが、護岸化されていない部分が多いため、生き物の多い自然豊かな川となっている。

(9) 佐潟

日本 場所新潟県 面積43.6ha 平均水深1m

解説佐潟は日本最大の砂丘湖(淡水湖)として知られている。日本全国で白鳥飛来数が最も多い新潟市の南西部に位置し、二つの潟に構成されている。流入する河川はなく、周囲の湧水と降雨流出に涵養される。佐潟は比較的に鳥類が豊富であり、これまで208種が確認されている。特に渡り鳥の越冬地として毎年2,000〜3,000羽の白鳥が越冬しており、1996年にラムサール条約に登録された。

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