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    日時
    • 2020年6月13日(土)16:00-17:00
  • 場所
    • Zoom会議(参加が確定した方にURLを前日にお送りします。)
  • 対象者
    • 上智大学の学生限定。先着30名。
  • 主催
    • 上智大学グローバル・コンサーン研究所
  • お申込み
    • こちらのURLからお申し込みください。お申し込みには上智大学のメールアカウントが必要です。https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=p-YOaaVN3E-jFrtZnYKl0vsV4Ddf7xFPnreqJkCewvtUM0lYNUdVVFg3QUg3MzVCMUFYWTJJN1JVMC4u
  • お問合わせ
    • グローバル・コンサーン研究所 i-glocon@sophia.ac.jp
第2弾 稲葉奈々子先生からのメッセージとトーク・セッション
新型コロナウイルス感染症対策から排除される人々:移民・外国人労働者問題を考える

稲葉奈々子

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための政策により、私たちは生活様式を見直すことが迫られています。テレワークが広がり、家で働くようになれば、ジェンダー関係にも大きな変容をもたらすでしょうし、1か月間店が閉店していてもとくに困らなかった経験は、消費行動を見直すことにつながるでしょう。通勤時間がなくなれば、働き方は大きく変わるでしょう。「本当に必要なもの」を見定めたポスト・コロナの時代に転換した社会を「ニューノーマル」とポジティブに称する議論も現れています。

 このセッションでは、そうしたなかで忘れられがちな側面に光をあてていきます。コロナウイルス感染拡大防止のための政策は、社会に大きな分断を生み出しています。感染拡大防止のための休業は困窮層をさらに苦境に陥れました。なかでも移民やエスニック・マイノリティは、感染防止対策のために休業を強いられても、休業補償を得ることができずに、苦境に陥っています。

 アメリカでも黒人やヒスパニックなど低所得層が多い集団のほうが、新型コロナウイルスによる死亡率が明らかに高いことがわかっています。フランスでもパリ郊外のサンドニ県は北アフリカやブラック・アフリカ出身の移民が多く居住していますが、やはり死亡率の高さは歴然としています。

 日本は国籍やエスニシティ、あるいは職種による死亡率は公表されていませんが、同じような状況にあることは想像に難くありません。限られた情報しか存在しませんが、このセッションのファシリテーターを務める稲葉は、移住者と連帯する全国ネットワークの貧困対策プロジェクトチームと反貧困ネットワークが協働して取り組む「緊急ささえあい基金」の運営にかかわっています。日本で生活する移民・難民から日々SOSが寄せられる現状を紹介しながら、コロナウイルス対策が、日本人と移民・難民を分断し、後者を貧困と困窮状態に陥れる結果になったのかを議論していきます。その分断を超えるために、どのような思考と行動が必要なのかも、考えていきます。